【no.454】「風が吹けば〇〇が儲かる」を探せ。パナソニックが本気で取り組むスマートタウン改善アイデアソン

「風が吹けば〇〇が儲かる」を探せ。パナソニックが本気で取り組むスマートタウン

企業によるAI活用が進んでいる。プレスリリース配信サービスのPR TIMESでは、AI関連のプレスリリース本数は2014年から2018年にかけて32倍に増加した。

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AIをビジネスに活用する際は、AIで既存の業務を効率化するものと、AIをベースとしたまったく新しい事業を創り出すものがある。しかし、後者は大企業であればあるほど難しい。既存の自社のビジネスと競合せず、かつ自社のビジネスに貢献するであろうアイデアはそう簡単には思いつくものではない。

そんな中、企業のAI活用やデジタルトランスフォーメーションを推進するSTANDARDとパナソニックとが、AIを活用した事業・サービスの開発力を持った学生たちと協力し、パナソニックが構築するスマートタウンに関するアイデア創出プロジェクトを⾏った。

それに伴い、パナソニックが立ち上げた郊外型のスマートタウンで、学生も交えて実地調査が行われた。その実地調査の様子と、アイデアソンの様子を取材した。

「企業×学生」プロジェクト発足の経緯
パナソニックは創業者である松下幸之助の思想から事業を通じて地域活性化に貢献することを掲げており、その考え方のもと、自社の工場跡地でスマートタウンを開発した。今回のアイデアソンのために視察が行われたFujisawa SST(サスティナブルスマートタウン/藤沢市)、Tsunashima SST(同/横浜市)だ。

取材日に現地(Fujisawa SST)に赴くと、かなり大規模な住宅地が整然と並んでいるのが印象的だった。(写真提供:Panasonic)

今回のプロジェクトにおいて、パナソニックの課題感は「スマートタウンの中で取得したデータを十分に活かせていない」ことだった。パナソニックのビジネスソリューション本部 副本部長の岡山秀次氏はこう語る。

――岡山
「Fujisawa SSTでは、住民が入居する段階で許可を取り、各戸の電気使用量などのデータを取得し、その結果を住民の方にフィードバックすることで省エネ等につなげていただいています。

それらを、さらに役立つ住民サービスに活かしたいのですが、僕らでは『どうやって新しいビジネスに繋げるのか?』と考え方にキャップがかかってしまい、なかなか自由なアイデアが出ない。そこで優秀な学生の方々に、我々では思いつかないような革新的なアイデアを出してほしいと思ったんです」
SSTの高齢者住宅では、住民の睡眠管理データなども取得可能だ。実際に睡眠データを取得することで、高齢者の日中の転倒率に睡眠が関わっていることが発見できたという。