【no.162】仏Snipsが仕掛ける新AIアシスタントはブロックチェーンと人工知能で”脱中央化”

仏Snipsが仕掛ける新AIアシスタントはブロックチェーンと人工知能で”脱中央化”

仏AIスタートアップ・Snipsが、家電製品を統合管理するAIアシスタントにブロックチェーンを組み合わせたアシスタントデバイス「Snips AIR」の開発に成功。2019年末には、韓国などアジア市場に向けてサービス提供開始する予定だと発表した。

Snips AIRは、個人情報保護に重点を置いて設計されたAIデバイスだ。アマゾン・ゴーやグーグル・ホームなど、データを中央および集中管理するAIアシスタント、AIスピーカーとは差別化された製品である。ローカルデバイスに暗号化されたデータを保存・処理し、クラウドには一切送信しない。

Snips AIRには、照明、室温、窓をコントールするホームオートメーションアプリ(Home Automation App)だけでなく、マルチメディアデバイスやキッチン家電を制御するアプリ、天候やスケジュールを知らせるアプリなど、最も利用頻度の高いアプリケーションが組み込まれる予定となっている。

Snipsは、ユーザーとアプリ開発者のためのマーケットプラットフォームも公開する予定。アプリ開発者は自由にSnips AIRで稼働するアプリケーションを開発することができ、開発したアプリを「Snips App Store」にて公開できる。なおマーケットプラットフォーム内では、トークンを使った取引システムが運営される計画となっている。

Snipsは現在、デバイスメーカーに対して人工知能技術や音声認識技術を提供しており、ホワイトラベル製品として商品化すべくOEM事業を推進している。

SnipsのCEO・Rand Hindi氏は「Snipsは、音声データが流通するエコシステム全体に生情報を分散・処理する脱中央方式を採用した(中略)これにより、ユーザーの個人情報を徹底的に保護するだけでなく、アプリ開発者が中央に検閲される心配なしに、Snipsのエコシステム内で得られた財貨価値を自由に扱えるようにした」と説明している。

AIアシスタントおよびAIスピーカーには、メーカーやサービス事業者によって、音声データや生活情報・習慣などを知らぬ間に収集・把握されてしまうという懸念が強く残っていた。Snips AIRは、それら課題を解決するデバイスとなるか。開発の進捗に注目が集まる。

データを中央集権的に管理するのではなく分散して持たせるという事ですね。新しい概念のデバイスの登場が楽しみです。

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