【no.638】NVIDIA、Armを約4兆円で買収 AI時代のコンピュータ企業を目指す

NVIDIA、Armを約4兆円で買収 AI時代のコンピュータ企業を目指す

NVIDIAは9⽉14⽇、ソフトバンクグループ株式会社(SBG)およびソフトバンク・ビジョン・ファンド(ソフトバンクグループ)から、Arm Limited(Arm)を400億⽶ドル(約4兆2000億円)で買収したと発表。

NVIDIAの最先端のAIコンピューティング プラットフォームと、Armのエコシステムを融合することで、ともにイノベーションを加速させるという。巨大な⾼成⻑市場に事業を展開し、人工知能(AI)時代に向けた世界最高のコンピューティング企業を目指すとしている。

ソフトバンクグループは、NVIDIA株式を保有することで、Armの⻑期にわたる成功に引き続きコミットする。なお、株式保有⽐率は10%以下を⾒込む。

【no.637】Google、ノーコードのアプリ開発サービス RPAに本腰か

Google、ノーコードのアプリ開発サービス RPAに本腰か

米Google(グーグル)は9月8日、公式ブログにおいて、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるとうたう、ノーコードのビジネス アプリケーション プラットフォーム「Business Application Platform」の詳細を明らかにした(公式サイト)。

>>該当ブログ(英語)

フランスのIT系ニュースサイト「Silicon.fr」の報道によると、「Business Application Platform」は、Compute Engine、App Engine、Cloud Functions、Cloud Run上でAPIを作成、デプロイ、管理できるフルマネージドサービス「API Gateway(ベータ版)」に加え、「Apigee data source for AppSheet(一般提供)」「AppSheet Automation(先行アクセス)」でも構成されるという。

>>Silicon.frの報道(フランス語)

「Business Application Platform」は、Google Cloud Platform(グーグル クラウド プラットフォーム、GCP)による「Apigee」のAPI管理や、「AppSheet」のノーコードアプリケーション開発への取り組みにもとづき、構築した。Google Cloud Platformが持つ人工知能(AI)や機械学習、セキュリティなどの専門知識を活用し、新機能を追加予定としている。

SNS上では、ノーコードのアプリ開発サービスが増加傾向にあることや、認識の差はあるものの、同プラットフォームがRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に分類できるとも考えられることから、「Googleもノーコードか」「GoogleもRPA参入?」などの書き込みが見られる。

【no.636】給与偏差値がAIでわかる求人サイト:人工知能ニュースまとめ17選

給与偏差値がAIでわかる求人サイト:人工知能ニュースまとめ17選

マイクロソフト、ディープフェイクを見破るAI技術を発表

米マイクロソフトは9月1日、2020年11月3日のアメリカ合衆国大統領選挙を前に、容易に見抜けないほど作り込んだニセ物の動画「ディープフェイク」を見破る「Microsoft Video Authenticator」を発表した。

ディープフェイクは、Aさんの顔を数万点ものパーツに分解し、表情ひとつひとつに人工知能(AI)がディープラーニング(深層学習)という手法を用いることで、Bさんの顔をAさんの顔にすり替えて顔の表情を自然に動かすというもの。

【no.635】トンネル点検での人員不足や作業負担 AIシステムの活用で解消を目指す

トンネル点検での人員不足や作業負担 AIシステムの活用で解消を目指す

応用地質株式会社は9月10日、トンネルの点検業務を人工知能(AI)により効率化し、インフラメンテナンスの担い手確保や技術の品質維持・向上に貢献する「トンネルAIシステム」を開発したことを発表した。

応用地質は、これまでにもトンネル覆工コンクリートの健全度をAIにより自動判定するシステムを開発・運用しているが、今回はトンネル近接目視に関わるさらなる効率化と精度向上を可能とするものだ。

【no.634】「LOVOT」の表現を拡張するAIシステム、コニカミノルタがデモを実施

「LOVOT」の表現を拡張するAIシステム、コニカミノルタがデモを実施

コニカミノルタは2020年8月27日、GROOVE Xの家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」の表現を拡張するAI(人工知能)技術を用いたシステムのデモンストレーションを実施すると発表した。

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家族型ロボット「LOVOT」(クリックで拡大) 出典:コニカミノルタ
両社は同年春より、LOVOTの表現力を拡張する画像IoT(モノのインターネット)、AI技術開発で協業している。具体的には、人の姿勢を認識するAIアルゴリズムを搭載したコニカミノルタのAIアクセラレーター(FPGAボード)をLOVOTに接続し、従来の人の認識能力に加え、その姿勢や行動を認識できるようにした。また、GROOVE Xの制御APIと連携させることで、LOVOTの表現力を豊かにする技術開発を進めている。

AIアクセラレーターへの姿勢推定アルゴリズムの実装には、コニカミノルタと東京大学が共同開発した高位合成コンパイラ「NNgen(エヌエヌジェン)」を採用している。

デモンストレーションは、同月28~29日にオンライン開催の「オープンソースカンファレンス2020 Online/Kyoto」で実施。LOVOTが人の姿勢を認識してまねをする様子を披露した。

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「LOVOT」が手を挙げた人の姿勢を認識し、まねをしている様子 出典:コニカミノルタ
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「LOVOT」が見ている、人の姿勢の様子(人が右手を挙げている姿勢を認識) 出典:コニカミノルタ
両社は今後の拡張案として、AIによる姿勢認識により、人のポーズの認識結果を生かした行動などを想定している。

【no.633】一般人の声をAIで再現できるサービスがすごい! 葬式や冠婚葬祭で生前の声で喋ることも

一般人の声をAIで再現できるサービスがすごい! 葬式や冠婚葬祭で生前の声で喋ることも

エイベックス子会社のコエステ株式会社は9月8日から、エイベックスのスタジオで収録する音源から個人の声の特徴を学習し、いつでも音声出力できる「デジタルボイス・プレミアム」を提供開始した。

デジタルボイス・プレミアムは「自分の声をさまざまな分野で広く活用したい」もしくは「病気などの理由で今の声を残しておきたい」と考える個人に向けて制作したという。

収録した音声から、その特徴を抽出した声の分身「コエ」を作成しておくことで、テキストを入力するだけで、その人の声色や喋り方を再現した合成音声をいつでも生成できる。

たとえば、忙しい経営者に代わって本人不在の場でも講演やプレゼンテーションをしたり、創業者の「コエ」で何代にもわたって従業員に新しいメッセージを届けたりできる。もし咽頭がんなどの病気や怪我で声を失っても、自身の「コエ」でリアルタイムにコミュニケーションを取り続けられる。自分自身の葬儀や大切な人の冠婚葬祭などで、生前の「コエ」でメッセージを送ることも可能だ。

【no.632】マイクロソフト、ディープフェイクを見破るAI技術を発表

マイクロソフト、ディープフェイクを見破るAI技術を発表

微妙な色の違いや色あせからニセ物を検出
今回、米マイクロソフトが発表した「Microsoft Video Authenticator」は、米マイクロソフトのAIチームなどが開発したもの。写真や動画を分析し、人間の目ではわかりづらい微妙な色の違いや色あせを検出することで、メディアが人為的に操作されたかどうか「信頼度スコア」を提示できる。なお、動画の場合は、動画の再生時に各フレームごとにリアルタイムで信頼度スコアを提供する。

ディープフェイクの有名な例としては、有名人の顔を入れ替えたポルノ動画や、バラク・オバマ前大統領が「トランプ大統領は救いようのないマヌケだ(President Trump is a total and complete dipshit)」と酷評しているニセ物の動画などが挙げられる。

11月3日のアメリカ合衆国大統領選挙の前にも、ディープフェイク動画がアメリカ社会を揺るがすと考えられる。今後、「Microsoft Video Authenticator」などの技術はディープフェイクに対抗できるのか。Ledge.ai編集部では、今後の動向に注目したい。

【no.631】AIに対する誤解から何が起こっているのか–今考えるべきこと

AIに対する誤解から何が起こっているのか–今考えるべきこと

18世紀のハンガリーの発明家であるWolfgang von Kempelen氏は、それまで誰も見たことがないような、チェスを指す能力を持つからくり人形を生み出した。この「機械仕掛けのトルコ人(Mechanical Turk)」と名付けられたオートマトンは、人間を相手にチェスを指すことができる人形だった。その人形が指すチェスは強く、1809年には、当時ウィーンに出征中だった、かのナポレオン・ボナパルトを負かしたこともある。

ただし最後には、von Kemplen氏の発明は手の込んだいかさまだったことが明らかになる。その機械の中には、人間のチェスの達人が隠れており、その人物が差し手を決めていたのだった。この人形は19世紀半ばに失われてしまったが、発明から数百年経った今、その物語は現在の人工知能(AI)が置かれた状況を表す絶好のメタファーになっている。

世間には、AIには主体性(agency)があるというイメージがある。AIが気候変動を解決する、スマートシティを構築する、新薬を発見するという話は聞くが、そうした偉業を達成しているのは、実際にはAIシステムを使う人間のエンジニアだという話を聞くことは少ないかもしれない。von Kempelen氏が作った独創的なからくり人形の中に、人間のチェスの達人が隠れていたように、エンジニアやプログラマーやソフトウェア開発者の存在も、AIアルゴリズムの影に隠れてしまっている。

ハンガリーの発明家によるからくり人形の逸話がこの問題について考える上で便利であることは、Amazonのサービスの1つに、その名前が使われていることからも分かるだろう(「Amazon Prime」や「Amazonフレッシュ」ほどは有名ではないにせよ)。「Amazon Mechanical Turk」は、AIシステムに入力する巨大なデータセットにラベリングを行うというような退屈な仕事を、何百万人ものリモートで働く「ターカー(Turker)」にクラウドソーシングするサービスだ。

Mozillaのフェロー兼テクノロジストであるDaniel Leufer氏は、「驚くべきことに、AmazonのMechanical Turkがどんなサービスかについてあらためて気づいた人のツイートを、4カ月に1度くらいは見かける」と話す。「Amazonが、AIの背後で人間が活動していることを覆い隠すように設計されたプラットフォームを、『Mechanical Turk』と呼んでいるのは素晴らしい。何をしようとしているかを隠すつもりもないのだ」

【no.630】プロ野球に“AI解説者”が登場、体操界では3D技術の導入で判定に革命【スポーツのデジタル化】

プレー予測が選手の故障防止にも
AI(人工知能)がスポーツ界で果たす役割はさまざまあり、一つはデータ分析に基づく戦況予測が挙げられる。

「WARP」はサッカー戦況予測AIを搭載した世界初のAIサッカーシミュレーションメディアで、Sports AI社が2017年に立ち上げた。「WARP」はJリーグの公認データであるスタッツデータ、トラッキングデータに加え、サッカー専門媒体が提供する選手情報を反映した約20体のAIを使って10分間の試合を100回実施し、最も確率の高い結果を提示する。これはサッカーくじ「toto」の予想に用いられるなど主にサッカー観戦者向けの技術で、2018年のFIFAワールドカップでは、日本vsセネガル戦の2-2の引き分けという予想を見事に的中させ、注目を集めた。

アメリカの「アマゾンウェブサービス」(AWS)も、プレー予測の面でさまざまな競技に携わっている。機械学習サービス「Amazon SageMaker」を用い、F1では、レース展開の予測や運転技術の評価をテレビ観戦者向けに提供。ラップタイムやタイヤの性能劣化、天気などのデータを反映することにより、たとえば「追い越しを成功させる確率」などが予測できる。タイヤの温度やオーバーヒートが起こる確率までも随時提供されるという。これらのデータにより、レース中の車がどのような状況であるのかがリアルタイムで認知できる。

アメリカンフットボールリーグのNFLは、「デジタルアスリート」という名称のAIをASWと共同で開発している。これは、アメフトにおいて大きな問題となっている、選手の脳震とうを防ぐことが大きな目的だ。「Amazon SageMaker」や画像・動画認識AIサービス「Amazon Rekognition」などの機能を使って選手同士が接触した際の位置関係や速度、加速度、姿勢などを分析し、ケガをしにくい動作を選手たちに促していく。上記のシミュレーション型AI技術は、アスリートや監督、コーチがデータ解析や戦術解析を行う場合にも、もちろん有効的だ。

【no.629】AIは緻密な仕事が苦手? 営業で使うのがおすすめな理由

AIは緻密な仕事が苦手? 営業で使うのがおすすめな理由

囲碁でも将棋でも天下無敵。世界最高の棋士をも打ち負かしてしまう人工知能(AI)。「AI」は、正確無比な手を指し続けます。しかし、それはあくまで、厳密に決められたルールがあるゲームの中の世界。いろんな想定外が起こる現実世界は、そう簡単ではありません。現実世界のAIは、実は結構いい加減で、緻密な仕事は苦手なんです。赤石雅典氏の近刊『Pythonで儲かるAIをつくる』(日経BP)を読むと、そんなAIの本当の実力が見えてきます。

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業務に本当に役立つAIを作るには?
本書の「儲(もう)かるAI」とは「業務に本当に役立つAI」のこと。そんなAIを作るには、AIの得意・不得意を把握しておくことが不可欠です。

AIを適用する分野で、著者の赤石氏がまず薦めるのが「営業」です。語弊を覚悟で言うと、営業という仕事がそもそも、いい加減なことがその理由です。

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コンピューターサイエンスを教養に 米大教授が講義

パソコンも計算間違い!?
「100%成功する営業」なんて、あり得ません。ダイレクトメールを使った営業なら、1件の受注を取るのに、数百件も数千件も送ることがあるでしょう。お得意さまに電話で新製品を売り込むときも、10件中1件成約すれば大成功というケースがあり得ます。

そもそも1割しか成功しない営業なのに、AIで既存の顧客リストをうまく絞り込んだら、成功率が2割に上がったとしましょう。AIを使っても「外れ」が8割もあったわけですが、営業成績は実に2倍になりました。AIの導入は、大成功です。

現在のAIで中心的な手法である「機械学習」は原理的に、正解が「100%」になることはあり得ません。過去のデータを基に予測するだけなので、必ず外れる場合があります。それでも、うまく最適化していくと、どんどん正解率を高められます。その点、営業のようにもともとの正解率が低い業務なら、正解率を高める余地が大きくなります。AIが「いい加減な仕事の方が得意」という理由がそこにあります。

「不良品を漏れなく探せ」は苦手
一方で、AIが苦手なのが「100%の精度を求められる」仕事です。典型的なのが、工場のラインにおける不良品の検出などで、「漏れなく見つけること」が目標になります。

AIで98%の精度を達成するのは、技術的にかなり困難ですが、仮にそれを達成できたとします。その場合でも、不良品の2%は見逃すことになります。それは業務的には認められず、結局AIの導入は断念するということになりがちです。

要するに、AIが得意なのは、どんな仕事なのでしょうか。「いい加減な仕事が得意」だけでは、よく分からないですね。