【no.498】AIにキャラクターを、CESで目立ったアジアのアプローチ

AIにキャラクターを、CESで目立ったアジアのアプローチ

米ラスベガスで開かれた世界最大のデジタル技術展示会「CES」で、中国・深センの企業、銀星科技(Silver Star Technology)が新型のロボット掃除機を展示していた。ルンバのような形状だが、中央に液晶で表示される「目」が付いている。この「かわいいロボット掃除機」は、まだ名前も付いていない、単なる試作品だが、筆者がツイッターでつぶやいたところ猛烈にバズった。

TAKASU@Nico-Tech 深セン MakerFaire Bangkok2020@tks

Shenzhen SilverStar Robotics, fantastic!

そうだよ、ロボット掃除機はこうでなければ、、

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筆者のツイートは、この原稿を書いている1月11日時点で2万件のいいね、7352件のリツイートがあった。CESでは世界中の名だたる企業が大きな発表を行う。今年はソニーが電気自動車の開発に乗りだすことや、トヨタ自動車が実験都市「Woven City」をつくると発表したことが大きな話題となった。そうした大ニュースに比べたら、無名企業のささいな試作品にすぎないロボット掃除機だが、筆者のツイートのリツイートの数は米国のトヨタ公式アカウントのWoven Cityに関するツイートを上回った。

ハッシュタグごとにツイートを分析するサイトaka.tvが掲載したCES2020でのランキング。ロボット掃除機へのツイートは大きな注目を集めた

CESでは、一般公開前のプレスデーに様々なセッションが開かれる。その中で「現在のAIについての神話と現実(Myth and Reality in Today’s AI)」というセッションがあった。

AIに関する議論は、それぞれの「AI」の定義がバラバラだったり、現時点で可能なことと不可能なことの区別がついていなかったり、できていないことの技術的な課題がきちんと認識できていなかったりすることが多く、表層的なものになりがちだ。ところが、このセッションは、登壇者がユニティ・テクノロジーズやマイクロソフトなどで実際に手を動かして仕事をしている人たちで構成されていることや、さほど大きい会場でなかったこともあって、中身の濃いセッションになった。

【no.497】お久しぶりか、初めましてか――“AI美空ひばり”に見る「デジタル故人」との付き合い方

お久しぶりか、初めましてか――“AI美空ひばり”に見る「デジタル故人」との付き合い方

ゴさと怖さとモラル的なグレーゾーン感がない交ぜに

2019年末に放送された「第70回NHK紅白歌合戦」で、“AI美空ひばり”が新曲「あれから」を披露して話題を集めた。ヤマハの専門スタッフがディープラーニングを活用して故・美空ひばりの歌声と歌唱法を追求し、音声合成技術を使った表現としてはかなり完成度が高い作品に仕上がっていたと思う。

一方で、映像表現における表情や動きの硬さ、「お久しぶりです。あなたのことをずっと見ていましたよ」といった曲間のセリフなどに違和感を覚える人も多く、ネットには「死者を冒涜(ぼうとく)している」「不気味の谷だ」といった言葉があふれたのも事実だ。

“AI美空ひばり”(NHKより)

筆者も最新のデジタル技術に感心した反面、他者が故人をコントロールすることに対してモラル的な戸惑いや怖さを感じた。感情がこんがらがったときは、その一つ一つをもみほぐして整理するしかない。これから私たちはAI美空ひばり的な存在とどう向き合っていけばいいのだろうか。

故人の思考パターンも偽映像もその気になれば作れる

故人をデジタル上で部分的に再現する取り組みは既にかなり広がっていて、恐らく止まることはない。

故人がSNSなどに遺したコンテンツをもとに、当人のアバターを作り出すサービス「Eternime」(エターナム)は14年にスタートし、20年1月時点で4万6000人以上の登録者を集めている。

また、18年10月には米マサチューセッツ工科大学メディアラボのホセイン・ラーナマ客員教授が、亡くなった経営者の判断力を再現するサービス「Augmented Eternity」(オーグメンテッド・エターニティ)を計画していると発表した。

故人の歌声だけでなく、思考パターンや語彙(ごい)、口調の癖などを再現することは、技術的に不可能ではなくなっている。さらにいえば、故人が考えたり言ったりしないようなことまで映像化することもできるだろう。20年1月、米Facebookは精巧な偽映像(ディープフェイク)動画を独自の判断基準で削除すると発表した。それくらいディープフェイクを作る技術は当たり前のものになっている。

【no.496】請求書の処理、AIで効率化 オートメーションラボ

請求書の処理、AIで効率化 オートメーションラボ

オートメーションラボ(東京・千代田)は、企業が受け取る請求書の処理を効率化するソフトを販売する。発行元によって様式が異なる請求書の各項目を、人工知能(AI)の技術を使って仕訳し、振り込みデータの発行、保管まで自動で行う。請求書を大量に受け取っている大手企業を中心に顧客を開拓している。

【no.495】日テレに入社したAI搭載アナウンサー 会話AIで日本語も英語も自然なやりとりに対応

日テレに入社したAI搭載アナウンサー 会話AIで日本語も英語も自然なやりとりに対応

2018年4月に日本テレビに“入社”したアナウンサー・アオイエリカが世界から注目を集めている。

アメリカで開催中の最新テクノロジーの見本市「CES2020」にて、アオイエリカが展示の紹介や来場者とのコミュニケーションを取っている。経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」のパビリオンにおける日本の先進的取組みの目玉のひとつのようだ。

アオイエリカの周囲には大勢の人だかりができていた

アオイエリカは、2017年に誕生したAIを搭載したアンドロイドアナウンサー。自由対話が可能でコミュニケーションを取れる。膨大な情報の短時間、リアルタイムな収集・分析などが得意。身長は166cm。

デモンストレーションでは、J-Startupパビリオンの29の出展企業、商品をアオイエリカが英語で紹介。ディスプレイ表示の切り替え、字幕表示と原稿の読み上げを自動的に連動させた一人三役をこなしている。また、会話AIによって、日本語と英語で来場者との雑談などにも対応。話し相手の顔を見て会話するのが特徴だという。

YouTube「エリカちゃんねる」では、アオイエリカが会話している動画がアップされている。実際に視聴すればわかるが、普通に会話できている。口が若干開きがちなものの、まばたきもするなど細かいギミックも搭載。

【no.494】CES 2020:インテルが考えるノートPCの未来は、「AI」と「折り畳み」がキーワードになる

CES 2020:インテルが考えるノートPCの未来は、「AI」と「折り畳み」がキーワードになる

PCは死にかけている──。そんな主張が重視されたことは、あまりない。それどころか「iPad Pro」の“侵攻”にもかかわらず、PCは仕事に使うデヴァイスとしての地位を固めてさえいる。

だが、PCはこれからどこへと向かうのだろうか? そして「ムーアの法則」を過去のものとし、いかに進化し続けるのだろうか?

インテルは「CES 2020」で、未来のPCの考えうる姿と、それがどう働くのかについてのヴィジョンを提示した。一見したところ、それはスマートフォンの未来とも、そして現在とも異なるもののようである。そこから見えたのは、折り畳み式の画面、人工知能(AI)、そして「Chrome OS」だった。

重要性が増すAI関連機能

なかでも、すぐに手に入るものがAIである。なぜなら、すでにここにあるからだ。「Ice Lake(アイスレイク)」と呼ばれるインテルの最新世代コアプロセッサーは、AIに最適化された機能を搭載したPCというかたちで、すでに出荷が始まっている。

その筆頭に挙げられるのが「インテル ディープラーニング・ブースト」と呼ばれる機能だ。アルゴリズムが新しいデータを訓練に基づいて解釈するプロセスである機械学習の推論を、端末内蔵型(オンデヴァイス)で加速させる。

CES 2020におけるインテルの基調講演で詳細が示された通り、年内にも出荷が開始される次世代アーキテクチャーの「Tiger Lake(タイガーレイク)」は、2桁に及ぶ性能の向上、「Thunderbolt 4」の統合、新型グラフィックアーキテクチャーなど、誰もが期待していたような性能の向上を実現している。それだけでなく、AIのタスクを扱う手法においても優れた改善が施されている。

「(AIは)プラットフォームにおいて、あらゆる重大な要素と同等に重要な存在になっています」と、インテルでクライアントコンピューティングを担当するジェネラルマネージャーのグレゴリー・ブライアントは言う。「わたしたちのロードマップとイノヴェイション、研究開発、エンジニアリング、開発者たちとの協力関係を推進するという観点において、最優先される存在なのです」

【no.493】苦悩するグーグル、自社サービスに「説明可能AI」を組み込んだ事情

苦悩するグーグル、自社サービスに「説明可能AI」を組み込んだ事情

「我々は『人工知能(AI)の基本理念』に従ったAIの構築に努めている。(その理念に沿って)人間がAIの挙動を理解するのに役立つ『説明可能なAI(Explainable AI)』を導入できることをうれしく思う」。米グーグルのトレイシー・フレイ(Tracy Frey) クラウドAI戦略ディレクターは同社ブログでこう表明した。

グーグルは2019年11月に、クラウド型AIサービスの一部に説明可能AIの機能を加えたと明らかにした。機械学習モデルの出力について、入力データの各要素がどれくらい寄与したのかを算出して表示できる。このサマリー情報を通じ、ユーザーはAIがなぜその判断を下したのか、理由を理解できる。

自転車による所要到達時間を予測する機械学習モデルについて、入力した気象条件のうち「最高気温」が予測に大きく効いていると分かる
(出所:米グーグル)
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画像から「猫」を検出する機械学習モデルについて、画像内のどのピクセルが検出に大きく寄与したかを緑色で示した
(出所:グーグル)
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注目したいのは、グーグルがこのサービスを、同社が2018年6月に策定した「AIの基本理念」の一端を担う取り組みと位置づけている点だ。この理念は、グーグルが開発するAIについて「不公平なバイアスを防ぐ」「人々への説明責任を果たす」などの原則を掲げている。

同社はサービスの発表と合わせ、説明可能AIについて27ページにおよぶホワイトペーパーを公開した。この文書は同社が採用する説明可能AIの詳細を明らかにするとともに、説明可能AIの限界や、人間とAIとの付き合い方について、グーグルの考えを示すものとなっている。

【no.492】防衛省 約2.7億円かけ“AI人事”導入へ

防衛省 約2.7億円かけ“AI人事”導入へ

防衛省が、幹部自衛官の人事に人工知能(AI)を活用する方針を固めたことがわかった。

防衛省は、2020年度予算に、AI開発費としておよそ2億7,000万円を計上し、今後2年間で、人事評価や異動に関するシステムを開発する方針。

対象となるのは、将官から尉官までの4万人を超える幹部自衛官で、およそ25万人の自衛官のうち、6分の1程度。

人事にAIなどの技術を活用する「HRテック」は、民間で活用が広がっていて、防衛省も、AIの活用で業務を効率化したい考え。

【no.491】進む工作機械の自動化、AIで現場をもっと楽に

進む工作機械の自動化、AIで現場をもっと楽に

AIで現場をもっと楽に

ロボットと並んでMECTの会場で多くの来場者の目を引いていたのが、工作機械における人工知能(AI)の活用だ。AIによって、生産現場における作業者の負荷軽減や装置のダウンタイム削減、稼働率向上が期待できるからだ。近年、工作機械メーカーがAI導入を本格化させており、各社がデモンストレーションや技術展示を競っていた。

シチズンマシナリー(本社長野県・御代田町)は、旋盤への切りくずのかみ込みを即座に検出するAI機能を参考出展した(図7)。背面主軸チャック部に設けた振動センサーから得た加工中の振動波形の乱れをAIで解析して、かみ込みの発生の有無を検出する。

(a)
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(b)
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図7 シチズンマシナリーのAIを利用した切りくずのかみ込み検出
振動データを解析して検出する(a)。(b)は、かみ込み検出のデモンストレーション画面。所沢事業所で稼働中の旋盤のかみ込みをリアルタイムで検出していた。(写真:日経ものづくり)

【no.490】2019年AI・人工知能おもしろプロダクトまとめ24選 架空のアイドル生成、写真をアニメ絵に変換、たこ焼き調理ロボット、など

2019年AI・人工知能おもしろプロダクトまとめ24選 架空のアイドル生成、写真をアニメ絵に変換、たこ焼き調理ロボット、など

「似ている有名人判定・AI顔タイプ診断」で顔タイプを4分類
KINDLER株式会社

自分に合ったライフスタイルを築くためのサービス「mira(ミラ)」のミラーアプリ(iOS)をリリース。miraは、普段使いのミラー画面から「似ている有名人判定・AI顔タイプ診断」で顔タイプを4分類する機能を搭載。プロからさらにパーソナライズされた診断ができ、運気がアップする美容法を提案します。

AIで観客の感情を表現するバーチャルアーティストを開発
株式会社ネイキッド

バーチャルアーティスト「HUMANOID DJ」は、会場にいる観客の表情から、AIにより性別、年代や感情の起伏を解析し、会場の音楽をコントロールすることで、会場内にいる人たちの属性や感情と音楽がリンクした空間を演出します。今後は、クラブ、コンサートホールでのイベントはもちろん、ホテル、レストラン、商業施設など、あらゆる空間演出をプロデュースするアーティストとしての活動を予定。順次、ビジュアル、機能を拡張し公開していきます。

AIによる画像認識でケーブルを自動判別できるWEBサービス
サンワサプライ株式会社

AIによる画像認識機能を使い、お手持ちのスマートフォンで充電ケーブルの写真を撮るだけでケーブルの種類をAIが自動判定し、ケーブルの説明や関連する製品をご提案するWEBサービス「ケーブル早わかり君」をリリースしました。このサービスは、ケーブルの調子が悪く買い替えたい、また、長いケーブルが欲しいけど何のケーブルかわからないとお悩みの方におすすめです。

AIでSNSウケをスコア判定する料理カメラアプリ
ヴァズ株式会社

お料理共有サービス「SnapDish (スナップディッシュ) 」では、これまで蓄積してきたお料理写真やコメント、いいねなどのリアクションデータをディープラーニングなどの手法を用いて解析することで、どのような写真が多く反応をもらっているかを分析しました。この結果をもとに、お料理にカメラを向けるとAIが色合いや明るさ、構図などから、即時に反応されやすさ(いわゆるSNSウケ)を判断する「AI料理カメラ」が完成しました。

【no.489】[AI/機械学習]年間記事ランキング、首位は海外人材がメルカリに殺到する秘密

[AI/機械学習]年間記事ランキング、首位は海外人材がメルカリに殺到する秘密

2019年の「AI(人工知能)/機械学習」の分野で最もよく読まれた記事は「『シリコンバレーよりメルカリ』、海外のすご腕AI技術者が殺到する秘密」だった。AIの理論や実装に精通した「AI人材」を獲得する手段として、海外の人材を広く採用しているスタートアップ企業3社の取り組みを追った。AI人材の獲得手段として機械学習コンペ「Kaggle」に着目した記事「AI道場『Kaggle』の衝撃、DeNAが人材採用の特別枠を設けた訳」も上位に入った。

AI人材を含めた突出した技術者を獲得しようにも、同期横並びの給与では採用はおぼつかない。2位「1位は野村総研、給料が高いと思う会社ランキング」、3位「富士通が年収最大4000万円で技術者を厚遇、NTTデータ・NECに続く『大盤振る舞い』」、5位「『できる社員には社長より高い給料も』、富士通の復活シナリオ」など、技術者の待遇を巡る記事が上位を占めた。

機械学習やPythonなど、需要が高まる一方のAI関連技術の習得を目指す記事も多くランクインした。4位「なるほどそうか、『機械学習モデル』を高1数学で理解する」、10位「Pythonに向いているシステムって何?事例で押さえる」、11位「さあ学ぶぞPython、まずは『定番ライブラリー』を押さえる」などがよく読まれた。