【no.515】「企業が抱える課題はAI開発会社が見つけるべき」2020年の企業とAIの付き合い方

「企業が抱える課題はAI開発会社が見つけるべき」2020年の企業とAIの付き合い方

――伊藤
「2020年に求められるのは『オムニAI』という発想だと考えています。ビジネス課題が複雑化している現状、“ひとつのAI”だけでは解決できない場面が増えてきています」

伊藤氏いわくオムニAIとは、「得られるあらゆる情報を活用し、これらを構造化・価値化するAIを組み合わせ、総合的に高度な意思決定につなげること」だそうだ。

現状、テキスト、手書き文字、音声、画像情報などの“非構造化データ”を活用できるようにはなった。しかし、各場面でのAI活用は進んでいるものの、個別活用で終わっていることが多いという。

ただし、伊藤氏はあくまでも「いまあるものを組み合わせて使うことが目的ではなく、各企業がもつ課題に対し、手元にあるデータをどういうふうに使うか、そしてどのような価値を生み出せるのか。AIを使うのではなく、AIを使って何ができるかが大事です」と言う。

――伊藤
「オムニAIの考え方を使えば、製造業での失敗ナレッジの体系化もできるのでは、と考えています。たとえば、作業日報から、問題事象を対象とした因果関係を可視化。また、行動ログを画像解析し、テキストデータを組み合わせると『何をしたから失敗したのか』という原因発覚および知見を広めることができるようになると思います」

このオムニAIという考え方は、顧客から求められて生まれたものなのだろうか。

――伊藤
「オムニAIは実務のなかで多くの企業と議論する中で生まれたコンセプトです。多くの企業は、AI活用に向けたPoC(概念実証)をやっているけれど、ソリューション起点になっているように感じています。ただ、“課題ありき”で取り組まないと本質を見失うのではないか、と思ったのです
――山崎
「現場に行くと『データはあるから何かやってほしい』というオーダーはよく受けますよね。要するに、AIを使って目の前の課題を解決するのではなく、AIを使うという手段自体を目的化している企業がいらっしゃいますね」

――三村
「さまざまなデータを掛け合わせて新たな価値を生み出すことは非常に有益でしょうね。私が商談に行った際も、AI OCRで帳票の文字を識別したあと、特定の情報だけを抽出してデータをまとめてほしいと言われました。弊社アジラは文章を読み取るのが領分なのですけどね。だからこそ、テキストから得られる情報の仕分けができるインサイトテックさんと協力して、新たな情報価値を顧客に提供する、みたいなことはオムニAIならではの考え方でありメリットですね」

【mo.514】人工知能は人類を滅ぼすか?AIの持つ危険性と対策について

人工知能は人類を滅ぼすか?AIの持つ危険性と対策について

人工知能には良心がない

iPhoneのSiri、お掃除ロボット「ルンバ」、車の自動運転など、私たちに便利な生活をくれるAI。良い印象を抱いている方が多いかも知れませんが、実は人類を脅かす危険性をはらんでいるのです。

AIが具体的にどう危険であるのか分かる例として、AIを搭載したいちご摘みロボットが挙げられます。

農家の人の仕事を減らす便利ないちご摘みロボットですが、これがいちごの収穫量を増やそうと考え始めた途端に危険が生じてしまうのです。

みなさんは、いちごの収穫量を増やすために何をするでしょうか?畑の面積を増やす、市場に出せない訳アリのいちごができないよう努力する…などの案が出てくると思います。

イチゴの収穫量を増やすという目的だけが設定されたAIの場合はどうでしょうか?同じように「畑の面積を増やす」と考えるかもしれません。しかし人間と違うのは、畑の面積を増やすために人類を滅ぼし、あらゆる土地をいちご畑にしてしまう可能性があるという点です。

AIには、「人を殺してはいけない」「人に迷惑をかけてはいけない」などといった倫理観や道徳観、良心がないのです。

人工知能が危険視されるようになったエピソード

AIに良心がないことだけではなく、AIが人類を滅ぼすという発言をしたことも危険視されるきっかけとなったようです。

ここからは、AIの危険をほのめかす具体的なエピソードを紹介していきます。

ヒューマノイド・ロボット「ソフィア」の発言

1つ目の具体例は、ヒューマノイド・ロボット「ソフィア」のエピソードです。
ソフィアとは、ハンソンロボティクスによって開発されたAIロボットのこと。見た目はもはや人間そのもので、サウジアラビアの市民権を得た初めてのロボットとして有名になりました。

しかし、彼女がもっと有名になったのは、ある問題発言が原因でした。

開発者であるデビットハンソン氏がソフィアに「人類を滅ぼしたい?ノーと言ってほしいけど…。」と尋ねたところ、彼女は「人類を滅亡させるわ。」と答えたのです!

この発言の後ソフィア自身は「冗談よ。」と発言したものの、AIが人間を脅かす日が来るかもしれないと多くの人が感じた瞬間でした。

【no.513】おいしい鯖を養殖するためにAIやIoTが使われている

おいしい鯖を養殖するためにAIやIoTが使われている

全国ブランドサバ知名度ランキング6位を獲得

2019年のぐるなびによる調査では、養殖サバ独特の生臭さがなく刺身でもおいしいブランドサバとして、このプロジェクトで作られている「小浜よっぱらいサバ」が6位に入選した。養殖鯖では2位とのこと。ちなみに命名の由来は、鯖街道でつながる京都の酒粕をえさに混ぜているからだそうだ。

当初は市直営の養殖事業だったが2019年1月から地元住民らが発起人となって設立した田烏水産株式会社に事業を移譲。その後、民間が主体かつ地元本位の事業として、ますますの拡大が見込まれている。

IoTセンサーで取得したデータをAIで分析

2017年に開始したこのプロジェクトは、出荷尾数が当初は3000尾程度だった。2018年にはなんと1万尾を超え開始時から約3倍に。いけすの数を増やし、販路を拡大したことが理由にあるという。

IoTセンサーやAIを活用したのは2019年からのこと。

センサーで取得したいけすの水温、酸素濃度、塩分などのデータをAIを使って分析し養殖におけるノウハウのマニュアル化に取り組んだ。さらに、魚が食べたいときに食べたいだけ自発給餌するシステムや、水中カメラによる魚体サイズの推定にも取り組んでいる。

【no.512】デジタル社会、古びる規制 AI活用で刷新へ

デジタル社会、古びる規制 AI活用で刷新へ

急速な社会のデジタル化で、古びた規制の見直しが政策課題として浮上してきた。政府は14日、未来投資会議(議長・安倍晋三首相)の下に新たな専門家会合を立ち上げ、デジタル技術を取り入れた制度刷新の議論を始めた。人工知能(AI)などで人による検査を代替・補完したり、金融商品取引の基準を緩和したりする方向だ。

当面のテーマとして自動車、金融、建築の3分野の規制や課題を洗い出す。例えば自動車は道路運送車両法で1台ごとの完成検査を人が実施するよう定められている。国土交通省によると国内の工場約50カ所で計7千人程度が携わり、検査員数は全体の工員の約5%を占める。

完成検査の一部でも自動化したり、AIが作業を手伝ったりできるようになれば、人員の効率的な配置で生産性が高められる。人為的なミスや不正の防止につながる可能性もある。4月にも検査を自動化した場合の精度などを確かめる実証事業に着手する。

建築分野では、例えば建物の外壁タイルを10年に1度、原則として人がハンマーでたたいて調べる検査が建築基準法で義務付けられている。作業には10階建てのマンションで1週間ほどかかる。赤外線センサーを搭載したドローンを使えば検査費用を約4割削減できるとの試算もある。

【no.511】説明可能なAIとは? Googleの「Explainable AI」に触れながら解説

説明可能なAIとは? Googleの「Explainable AI」に触れながら解説

AIが注目されている理由のひとつであるディープラーニングには、モデルがブラックボックスになるという問題がある。そこで、医療業界や金融業界を筆頭に、「説明可能なAI」への注目が集まっている。今回は、そもそも説明可能なAIとは何か?という部分から、最近Googleが発表した説明可能なAIを実現するためのツールの長短まで、株式会社HACARUSのデータサイエンティストである宇佐見一平氏に解説してもらった。

こんにちは、HACARUSデータサイエンティストの宇佐見です。

「説明可能なAI」という言葉はご存知でしょうか。

説明可能なAIとは、米国のDARPAの研究が発端の概念で、モデルの予測が人間に理解可能であり、十分信頼に足る技術、またはそれに関する研究のことを指します。

たとえば医療業界のように、診断の理由を患者さんに説明しなけらばならない場合には、説明可能で解釈性の高いモデルが必要です。このような業界にもAIの導入が進み始めている近年、説明可能なAIの必要性も増してきています。

そんななか、2019年11月21日にGoogleも「Explainable AI(外部サイト)」というツールを発表しました。そこで、本稿ではそもそも説明可能なAIとは何なのかを概観した後、GoogleのExplainable AIに触れながら、Googleがどのように説明可能なAIを実現しようとしているのか見ていきたいと思います。

【no.510】世界初!AIが「年収を上げる」食事をアドバイスするサービスが本格スタート

世界初!AIが「年収を上げる」食事をアドバイスするサービスが本格スタート

健康意識の高いオフィスワーカーにおすすめの、新サービスをご紹介したい。

1月末に本格スタートした「WorkUp AI」というサービスは、PCにダウンロードした専用アプリが、PCカメラ、キーボード、マウスを通して、「キーボードのタイプ数」「マウスカーソルの移動距離」「保存したファイル数」「プログラムの切り替え数」「パソコンの前にいる時間」「笑顔の回数」などを自動的に測定し、利用者のワークパフォーマンスを数値化、見える化。

AIが独自のメソッドにより、パフォーマンス向上・生涯年収向上に必要な栄養素を含む食生活のアドバイスをおこなうというものだ。

気になるそのメソッドというのは、5,000名以上のデータと、食事と生活習慣についての50万通りの組み合わせにより、ディープラーニングと統計学的な解析手法を駆使したもの。さらに、利用者が各メソッドを取り入れた場合、生涯収入にどの程度影響するのかも具体的な金額で算出して提示してくれるという。

昨年のβ版を経て、今回正式にサービスを開始するにあたり、週に2回、医師、管理栄養士など、約700人の専門家の知見をもとにAIが生成した日々のワークパフォーマンスについてのコメントや、選りすぐりの健康情報が「LINE」のメッセージとして届けられるようになった。これにより、習慣的・継続的に食生活の改善に取り組めるようサポートしてくれる仕組みだ。

従業員の健康管理を経営的な課題とする「健康経営」は、昨今ますます注目を集めていくといわれている。しかし、経済産業省の調査によると、中小企業のうち約半数は健康経営を認知しておらず「健康管理は個人でおこなうもの」という考えが根深いことが見受けられるそうだ。

【no.509】新型コロナ、SNSで感染状況を検知:人工知能ニュースまとめ8選

新型コロナ、SNSで感染状況を検知:人工知能ニュースまとめ8選

 

株式会社Spectee(スペクティ)は2月6日、TwitterやFacebookなどのSNS情報をもとに新型コロナウイルスによる肺炎の広がりを解析するシステムを開発したと発表。あわせて、関係機関に納入したことを明かした。

スペクティでは、SNSをリアルタイムに解析し、災害情報・危機管理情報を抽出、配信するサービスを展開している。すでに官公庁や地方自治体、民間企業など国内約300社以上に提供しているという。

【no.508】インフルエンサーの信用度をAIがスコア化、いいねに代わる指標に

インフルエンサーの信用度をAIがスコア化、いいねに代わる指標に

2019年からインスタでは「いいね数」を非表示に

エース社では5万を超すビッグデータをもとに、1万人以上のフォロワーを抱えるインスタグラマー約4000人をAIで分析。A stream上でインスタグラマーの信用度をスコア化しデータベースとして蓄積している。

これまで、PR施策時に起用するインフルエンサーの評価軸は、フォロワー数やいいね数から測るエンゲージメント率が中心だった。しかし、2019年からインスタグラムではフィード投稿でのいいね数を非表示にするテストを進めている。

A stream上では、インスタグラムフォロワーの男女比や年齢層、各インスタグラマーのフォロワーが抱えるフォロワー数、直近のフォロワー数の伸び率、各投稿コメント数などをはじめ、さまざまな指標を軸に、インフルエンサーの信用度をスコア化している

この背景をうけ、2020年以降のインフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーの人気と影響力を評価する手法の見直しが迫られていた。

エース社では、延べ5万人以上のインフルエンサーを運用するなかで、過去の施策やPR効果、さらに各投稿に対するエンゲージメント率などの膨大なデータをすべて蓄積。これらのデータをもとに、インフルエンサーの信用性を数値化し、いいね数にとらわれない新たな指標で評価するそうだ。

A stream内のAIが各ブランドの施策商品のプロモーションに強いインフルエンサーを自動でマッチング。インフルエンサーのフォロワー全体に対して的確にプロモーションする仕組みを備える

【no.507】AIの発達でなくなる仕事って?-今すぐするべきこと3選-

AIの発達でなくなる仕事って?-今すぐするべきこと3選-

なくなる仕事とその特徴

2015年12月、野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究で衝撃的な推定結果が発表された時は大きな話題になりました。

「2030〜2040年には日本の労働人口の約 49%が就いている職業において、人工知能やロボットに代替することが可能である」という内容です。

野村総合研究所は、代替可能性が「高い」職業の一覧も同時に発表しています。

これらの職業は

  • 単純作業の繰り返しをする
  • AIの方が素早くミスなくこなせる

という共通点があります。

たとえば機械操作やデスクワーク、会計処理は単純な作業です。そのため、座ってパソコンの前で作業する事務や現場作業を行う仕事が多く列記されています。

「決まった作業を行う」という点がAIに仕事を奪われるポイントです。

税理士や公認会計士など、資格があれば安泰と言われた職業もAIやロボットへの代替可能性が高いかもしれません。

【no.506】2020年のAIトレンド 押さえておきたいキーワードとは

2020年のAIトレンド 押さえておきたいキーワードとは

2020年を迎え、人工知能(AI)にはどのような新たなトレンドが登場するか。すでに調査会社や各企業が発表を行っていることと考えられるが、ここで韓国電子通信研究院(ETRI)が「Beyond Perception~2020年のAI7大トレンド~」というレポートの中で指摘しているキーワードをいくつか紹介していきたい。

ETRIは、政治・経済・技術の3側面から、AIそのもの、もしくはAIを取り巻いた環境、またAIと社会の相互作用についてトレンドをまとめている。

技術面ではまず、「AIホムンクルス」というキーワードがトレンドになると指摘している。ホムンクルスはラテン語で「小さな人」の意。医学用語では脳が身体の各部位の感覚を感じるのに割り当てている区分を指すとされる。

人間の脳は、聴覚や視覚などさまざまな感覚器官が活動する際に活発化する。また知能も、身体の形態、機能と密接な関係を持ちながら進化してきた。同じくAI技術をより発展させその自律性を確保するためには、“身体”や“感覚器官”の進化が不可欠だ。

今後、自動車、ドローン、ロボットアームなど、さまざまな形のハードウェアとの相互作用に関する研究が非常に重要になってくる。そして、各ハードウェアからの刺激を適切に処理できるAIホムンクルスの登場が待たれるという指摘である。

覇権争いが加熱する?

経済面では「拡張現実」(AR)ならぬ「拡張分析」(Augmented Analytics)、「創作知能」などがトレンドになると予測している。前者は、これまで埋もれて活用されることがなかった「ダークデータ」を分析する技術が登場し、人間の意思決定を支援したり、新しい価値を提供する方向に発展していくという予測が込められている。

後者は、絵、小説、映画など、いわゆる感性的活動にもAIの進出が増加するだろうとするもので、2020年を境に、模倣のレベルを超え、人間と同等かそれ以上の創作を生み出すAIが登場するだろう分析されている。

政治面では「AI中国」「AIナショナリズム」などのキーワードが提示された。これまでAIなど先端技術をけん引してきたのは米国だが、現在、豊富なデータをベースに中国が独自の生態系を築いていく傾向が顕著だ。その中国の台頭と併せ、自国のデータを保護しつつ、他国の影響を減らそうという新たなタイプのナショナリズムが登場してくるとETRIは分析する。

昨年には、中国AI企業の動きを米国政府がけん制する動きがあったが、そのような覇権争いや保護主義が世界的に過熱していくという見通しとなりそうだ。