介護の未来をAIが変える。
2040年の医療・福祉の在り方について検討する厚生労働省と経済産業省合同のワーキンググループが19日、根本厚生労働相に中間報告書を手渡した。
報告書は、2040年に100歳以上の高齢者が30万人を超え、医療・介護分野での人手不足が、さらに深刻化すると指摘。
AIやロボット技術などを活用した、次世代医療の取り組みを推進している。
番組は、この課題解決にいち早く着手している、あるAIベンチャーを取材した。
都内にある企業「エクサウィザーズ」では、AIを介護に生かそうという取り組みが行われていた。
このベンチャー企業では、認知症患者の介護をサポートするAIの開発が進められている。
天井に設置したカメラと、介護士が眼鏡に装着した2台のカメラで、介護の様子を撮影。
その映像や音声をAIが解析し、介護士と患者の距離や、目が合っている時間などを測定する。
「もう少し離れた位置に立っていただいて、自分の腕を伸ばして、相手に自分の腕を引っ張っていただいて、起きていただくというような介助をしていただければいいと思います」
AIが集めたデータを参考にし、介護をする映像を見たベテラン介護士が、患者とのスムーズなコミュニケーションの取り方を、若手介護士にアドバイスするという仕組み。
エクサウィザーズ・石山洸社長
「とにかく介護の世界は、人が足りないというところもあるので。ほとんど全ての人が、ご家庭で介護をしたりですとか、ケアをしたりですとか、そういう時代になってくると思うんですね」
「今度、(介護の仕方を)教える人の数も足りないという形になるかと思うんですが、インターネットですとか、オンラインの技術、あるいはAIみたいなものをうまく使いながら、サポートしていくということが必要なのかなと思います」
今後、介護施設や病院で実証実験を進め、将来的には、ベテラン介護士の代わりにAIが若手の指導を担うことを目指す。