【no.402】上海市、新たなAIイノベーション試験エリアを発表

上海市、新たなAIイノベーション試験エリアを発表

上海市は7月29日、「上海馬橋人工知能イノベーション試験エリア建設工作を推進する方案」(以下「方案」)を発表した。方案では、人工知能(AI)のイノベーション試験エリアを上海市閔行区馬橋鎮とその周辺の15.7平方キロを対象地域に指定し、2030年までに1,000億元(約1兆5,000億円、1元=約15円)の産業規模を構築するとしている(馬橋人工知能イノベーション試験エリア発展計画は表1参照)。

表1 馬橋人工知能イノベーション試験エリア発展計画

方案によると、上海馬橋人工知能イノベーション試験エリアは「産業イノベーション発展エリア」と「応用総合実践エリア」の2つに分けられる。

「産業イノベーション発展エリア」の面積は10.8平方キロで、スマート運送システム、スマートロボット、スマート感知システム、スマート新ハードウエアシステムなど4つの「スマート産業」を重点的に発展させることによって、製造業のグレードアップの実現、AI領域のユニコーン企業の育成を実現する。また、上海市内の紫竹イノベーションベルトと呉経エリアと連動し、次世代のAI産業試験エリアを形成する。

「応用総合実践エリア」の面積は4.9平方キロで、都市管理、民生サービスなどのニーズに基づき、AIの応用体験場所を構築し、AI技術研究開発、人材集積、学術交流などを行っていく。

前瞻産業研究院のレポートによると、AI領域における過去20年間の論文の総数は中国が全世界でトップ、AI関連企業数も米国に次ぐ2位となっている(表2、3参照)。

表2 人工知能に関する論文数(1997~2017年)
表3 各国の人工知能企業数

その中でも上海に関しては、5月に浦東地区に「人工知能イノベーション応用先導地区」(2019年6月3日記事参照)を建設すると発表し、8月末には「2019年世界人工知能大会(2019年6月26日記事参照)」を開催するなど、AI分野の動きが盛んだ。