【no.450】AIの次なる挑戦は「サッカー」、グーグルがシミュレーターを公開

AIの次なる挑戦は「サッカー」、グーグルがシミュレーターを公開

グーグルは、マシン・インテリジェンスの研究分野で世界をリードしている。特に、子会社のディープマインド(DeepMind)は次々と優れた業績を上げている。ディープマインドのニューラル・ネットワークは、「ポン(Pong)」、「ブレイクアウト」、「スペースインベーダー」といったアタリのビデオゲームや、より複雑なオンライン・マルチプレイヤー・ゲームの「スタークラフト(StarCraft)」などのさまざまなゲームで人間を超えるパフォーマンスを達成してきた。

ディープマインドは、伝統的なゲームでも大きな成功を収めてきた。ディープマインドが開発した囲碁プログラムの「アルファ碁(AlphaGo)」は2016年、世界最高峰のプロ囲碁棋士を打ち負かした史上初の機械として名を馳せた。この対戦過程でアルファ碁は画期的な攻め方を見い出し、囲碁に対する人間の考え方に革命をもたらした。

過去の栄誉に甘んじることなく、グーグルは現在、予測不可能性が重要な役割を果たすオープンエンド型ゲームに目を向けている。次のターゲットはサッカー・ビデオゲームだ。

グーグル・ブレインのカロル・クラッチたちの研究チームは、「グーグル・リサーチ・フットボール・エンバイロメント」と呼ばれるサッカー・ビデオゲームを開発した。このサッカーゲームを利用すれば、研究者はカスタマイズ可能で使いやすく、無限に再現可能な物理学ベースの世界で、自身が開発したアルゴリズムをテストできる。同環境はオープンソース・ライセンスで公開されており、世界中の研究者がより良いサッカープレイのアルゴリズムの開発に利用できる。