【no.467】人間ほど賢くないから、お茶目な間違いもする。AIについて科学者にインタビューしてみた

人間ほど賢くないから、お茶目な間違いもする。AIについて科学者にインタビューしてみた

人間だったら、天然ボケを疑う…。

便利で、ときに脅威的な存在にも感じるAIについて、科学者でAI Weirdness運営者、米GizmodoのAIアストロロジャーであるJanelle Shaneにインタビューしてみました。新著『You Look Like a Thing And I Love You』リリースにあわせて、彼女が夢中になるAIの世界について聞いてみたところ、コンピュータの型破りな一面が見えてきました。

※インタビュー内容は、読みやすく編集しています。

AIの意外性に興味を持ったのがきっかけ

Gizmodo:AIに興味を持ったきっかけは?

Janelle Shane(以下Shane):高校卒業後、大学で何をやるか模索していたとき、進化論的アルゴリズムに関する研究の講演を聴く機会があったんです。それがとても魅力的で、アルゴリズムは予想外の方法で問題解決すること、技術的に正確ではあるけど、科学者が思いつかないようなソリューションにたどり着くこともあるといった内容が印象的でした。

たとえば、カメラや顕微鏡のレンズシステムを設計するのにアルゴリズムを使用したところ、デザインは優れていたのにレンズの厚みが15mだった…という話を聞いたら、もう興味を持たずにはいられませんでした。

その後、AIが生成した料理のレシピを目にすることがあったのですが、それも本当におもしろくて。テキスト生成ニューラルネットワークに膨大な量の料理本を与えたら、レシピを真似ようとがんばったのはわかるのですが、料理や食材のことをまったく理解していないことが明らかでした。バーボンの細切りというものがあったり、そもそもオーブンに入ってないはずのパイをオーブンから取り出すように書いてあったり…。そういうのを見ているうちにまた好奇心が高まって、AIのテキスト生成の実験をしてみたくなったんです。

Gizmodo:AIについて、簡単に説明していただけますか?

Shane:AIは、あらゆるものをひとまとめにするのに使われる用語のひとつです。SFの世界や、現実の機械学習を使用した製品でも用いられています。わたしがよく使う定義は、ソフトウェア開発者がよく使うものですが、機械学習アルゴリズムと呼ばれる特定の種類のプログラムのことを指します。プログラマーによってコンピュータが従う段階的な指示が書かれるようなルールベースだった従来のアルゴリズムとは異なり、機械学習はゴールを与えたらあとは問題とエラーによって問題解決に取り組ませるというものです。その背後にはニューラルネットワークや動的アルゴリズムなどさまざまなテクノロジーが働いています。

従来のものと機械学習アルゴリズムには大きな違いがあります。そのひとつは、機械学習が問題を解決するとその理由が説明しづらいという特徴があります。プログラマーによって、コンピュータが問題を誤解せずに実行したかなど、さかのぼって確認するには膨大な作業が必要となります。