【no482】インテル、イスラエルのAI半導体を買収 2200億円で

インテル、イスラエルのAI半導体を買収 2200億円で

【シリコンバレー=佐藤浩実】米インテルは16日、人工知能(AI)の計算に特化した半導体を扱うイスラエルのハバナラボを20億ドル(約2200億円)で買収したと発表した。大量のデータを処理するAI半導体は5年後に年250億ドルの需要が見込まれ、開発競争も激しい。インテルは有力スタートアップを取り込むことで技術のすそ野を広げる。

インテルはAI計算用の半導体を強化するため買収を重ねている(写真は11月にサンフランシスコで開いた記者会見)

インテルはAI計算用の半導体を強化するため買収を重ねている(写真は11月にサンフランシスコで開いた記者会見)

ハバナラボは「深層学習(ディープラーニング)」に使うデータセンター向けの半導体を開発・販売する。AIの大量のデータから特徴となるパターンを抽出する「学習」と、学習成果をもとに新たなデータを判断する「推論」に向いている。2015年設立で、もともとインテルの投資子会社が出資している。

現状では、多くの企業がインテルのCPU(中央演算処理装置)と米エヌビディアのGPU(画像処理半導体)を組み合わせてAI計算をこなしている。ただ、音声アシスタントなどAIを使うサービスが広がるなか、大量のデータをより効率的に計算できる専用半導体への期待が高まっている。

データセンター向けの半導体はインテルの稼ぎ頭で、AI分野で専用品への移行が進むと脅威になる可能性もある。そのためインテルは近年、AI計算に向きそうな半導体を手掛ける企業を相次いで傘下に収めてきた。15年には約2兆円で米アルテラを買収。16年には深層学習の専用チップを開発中だった米ナーバナ・システムズも買収し、今年11月に新製品を披露した。