【no.614】店舗をデジタル管理、AI活用で「3密」も回避

店舗をデジタル管理、AI活用で「3密」も回避

ニューリテール(新小売)が近年の中国で注目され続けている。オンラインの順番受け付けやスマートフォンによるフード注文、非接触受け取りサービスなどが徐々に生まれる中、既存型小売店もデジタル・トランスフォーメーション(DX)を迫られている。新型コロナ禍によってオンライン消費の浸透率も上がった。

店舗運営や従業員管理など経営・マネジメントに必要な主要機能がそろっている(KABOB提供)
店舗運営や従業員管理など経営・マネジメントに必要な主要機能がそろっている(KABOB提供)

リテールクラウドを手がけるベンチャー企業「KABOB」は、チェーン展開する小売企業や飲食企業に向けSaaS形式でワンストップソリューションを提供している。複数店舗に設置するデジタルサイネージや店舗BGMの一括管理、人材研修における評価、顔認識・人体認識など多くのシーンで活用できる機能がそろう。すでにマクドナルドやバーガーキング、アリババ傘下生鮮食品EC「盒馬鮮生(Hema Fresh)」などに導入されているという。

KABOBの強みは総合的なソリューションにある。提携企業はKABOBの提供するリテールクラウドのプラットフォームから必要なアプリをダウンロードしてサービスを利用する。現在18のアプリが提供されており、マーケティングの自動化やクリエイティブ制作の自動化、店舗運営や従業員管理など、店舗の経営・マネジメントに必要な主要機能がそろっている。

KABOBの蔡宗沛CEOは「デジタルサイネージを提供する企業はすでに多く存在するが、小売り全般をカバーするソリューションは少ない。我々のソリューションはワンストップ型で、なおかつAndroidやWindows、LinuxなどのOSに対応しており、複数のシーンをバックヤードで同時管理できるため、運営・管理が楽になる」と説明する。

また、KABOBのリテールクラウドプラットフォームはPOS(販売時点情報管理システム)、CRM(顧客関係管理システム)、ビジネスコラボレーションツールの「Ding Talk(釘釘)」、「WeChat Work(企業微信)」、SNSアプリ「WeChat(微信)」などとデータを共有できる。蔡CEOによると、同社の提供するSaaSを利用すれば導入各所にソフトウェアのインストールをせずに済み、メンテナンス費やサーバー購入費も不要で、コスト節約になるという。