【no.650】第1次人工知能(AI)ブームの終焉、なぜAIは「冬の時代」に突入したか

第1次人工知能(AI)ブームの終焉、なぜAIは「冬の時代」に突入したか

AI研究発展の限界、打ち切られた数々の出資
1950~60年代の間、米英を中心に人工知能(AI)に対してかなりの投資が行われてきました。ところが、1970年の前後になると、さまざまな投資が打ち切られることになります。

まず、1966年に米国の調査委員会が「機械翻訳を現実的な期間で実現することは不可能である」という結論を「ピアス勧告」において出しました。2020年のいまでこそ、幅広いジャンルで利用可能な機械翻訳が登場していますが、少なくとも当時「50年待ってくれ」と言われてお金を出し続けることは現実的ではなかったのでしょう。これにより全米研究評議会による出資が打ち切られてしまいます。

1973年には「AIは組み合せ爆発の問題を解決できない」とした「ライトヒル勧告」によって、英国政府による各大学へのAI研究に関する資金援助が打ち切られます。

いまでこそ機械学習によって「人間の行動を模倣する」形で組み合せ爆発などの問題にある程度は対応することができますが、探索アルゴリズムを中心に構築されていた当時のAIにとって、組み合わせ爆発は解決不可能な問題だと思われたのです。