【no.275】ボッシュがAIを全製品に搭載へ、自動運転用カメラにも…2020年代半ばまでに

ボッシュがAIを全製品に搭載へ、自動運転用カメラにも…2020年代半ばまでに

ボッシュ(Bosch)は1月30日、2020年代の半ばまでに、ボッシュの製品すべてにAI(人工知能)を搭載、またはAIが製品の開発・製造に関わるようにする計画を発表した。

ボッシュのAIセンターでは現在、多くの従業員が150件以上のプロジェクトに携わっている。そのうちの1つが、センサーシステムの「SoundSee」だ。このSoundSeeのアルゴリズムは、機械学習を応用しており、故障の兆候を聞き取ることができる。これにより、機械の故障を正確に予測できるようになり、メンテナンスコストの削減や生産性の向上につながるという。

このSoundSeeは2019年の中頃に、国際宇宙ステーションに送られる予定だ。ボッシュはこのソリューションを、自動車工学などの商業用途に活用できると想定している。

AIの進化のもう1つの例は、画像処理アルゴリズムとAIメソッドを組み合わせた自動運転用の多目的カメラだ。この自動車向けのインテリジェントなカメラは、歩行者を発見し、すぐにその挙動を認識・予測することができるという。

ボッシュの目標は、AIの世界大手の一社になることだ。この目標を達成するために、ボッシュは2021年までに社内のAIエキスパートの数を現在の1000人の4倍、4000人へ増員することを計画している。

【no.274】AI活用サービス6選】音声・画像認識から文章生成・校正までを網羅

AI活用サービス6選】音声・画像認識から文章生成・校正までを網羅

昨今、ニュースなどで「AI」というワードを聞かない日はほとんどありません。ですが、「AIを使ったサービスをほとんど使ったことがない」なんて方は多いのではないでしょうか。

今記事では、AIが使われているサービス6選を紹介します。

画像解析/認識/処理系AIサービス

Linne Lens

Linne Lensは生物の認識に特化したスマートフォンアプリ。(2019年1月23日時点)
スマートフォンのカメラを介して魚類を筆頭に、鳥類や哺乳類など、合計8,000種類の生物の名前を瞬時に検索することが可能です。

驚くことに、この検索サービスはエッジ(スマートフォン)側で生物の認識を行うため、インターネットに接続できない状況でも認識し続けてくれるんです。さらに、生き物が動き回っている状況や、群れをなしている状況、さまざまな生物が入り混じっている状況でも精度の高い認識力を発揮します。

無料キャンペーン中の今なら、1日10種類の生物を無料で認識できるので、水族館や動物園に出向いた際に使ってみるのも一興です。

公式サイト https://lens.linne.ai/ja/
サービス / アプリ iOS / Android

Google Lens

Google Lensはスマートフォンのカメラを通して、さまざまなものを検索できるAIを活用した最先端サービスです。AIによる画像認識カメラに写った花の名前を調べたり、撮影した建物の画像から、建物に関する歴史や営業時間を調べられます。

他にも、名刺の情報を保存したり、絵画を読み取り、作者に関する情報を表示したり、さまざまな用途に使用できます。

Google レンズはGoogle フォトやGoogle アシスタント、一部のカメラアプリを通して利用可能です。

このアプリがあれば、今まで何気なく見過ごしていた日常の風景が、少しワクワクする風景に変わるかもしれません。

公式サイト https://lens.google.com/
アプリ Android

Pixiv Sketch

Pixiv SketchはAIが白黒の絵を自動でカラーリングしてくれるサービスです。Pixiv Sketchにログインし、線画をアップロードするだけでほとんどの作業が完了するため、「絵を書くのは好きだけど、色塗りは面倒だからやらない」なんて人におすすめです。

公式サイト https://sketch.pixiv.net/
サービス / アプリ iOS / Android

音声認識

Shazam

Shazamは2008年に配信が開始されたAIによる楽曲の認識を行う古株的サービス。街中で流れている楽曲名を認識したり、テレビCMに使用されている楽曲を認識したり、「ちょっと気になる音楽」の楽曲名を認識することに特化したAIが組み込まれています。

Shazamは、SpotifyやSnapchatなどに技術提供しており、さまざまなサービスに組み込まれています。

公式サイト https://www.shazam.com/ja
サービス / アプリ iOS / Android

文章校正/生成

Grammarly


Grammarlyは、英語文校正ツールの決定版とも言えるサービスです。誤字脱字の検出はもとより、文法のチェックや、類義語の提案など、英語の文書を作る際に必要なサポートは、Grammarlyひとつでほぼまかなえてしまいます。

無料版は、Chromeのプラグインとして利用できるので、今すぐにでも試して欲しいサービスです。

公式サイト https://www.grammarly.com/

Articoolo

Articooloは、入力した単語をもとに、文章生成してくれるAIサービスです。現時点で、日本語を含む6言語に対応しています。

公式サイト https://ledge.ai/articoolo-japanese-version-2/

文章生成の精度自体は、まだまだ発展途中な感じではありますが、WordPressのプラグインも公開されているため、ブログのネタに困ったときや、ブレインストーミングなどに使ってみるのもいいのかもしれません。

AIは身近なサービスにも着々と浸透している

今回まとめたAIサービスは有名なものばかりで、日常的に使っている人も多いと思います。

ですが、上記のサービスにAIが使われていることは、案外知られていません。他にも身近なところで活躍するAIは数多くあることから、AIは徐々に社会へ浸透し始めています。

【no.273】「AIで残業がなくなった」月間180時間の労働時間を削減したAI導入事例が美しすぎる

「AIで残業がなくなった」月間180時間の労働時間を削減したAI導入事例が美しすぎる

在庫を持たず、レジもない。革新的な店舗運営で話題の、オーダーメイドスーツ・シャツを扱うスタートアップ「FABRIC TOKYO」をご存知でしょうか?

世界的にみても遅れていると言われる日本の小売業界。そこに一石を投じようと、ファッション × テクノロジーで、新たな価値を生み出しているのがFABRIC TOKYOです。

その裏には、採寸メモが記載された帳票をほぼ100%の精度で読み取り、圧倒的な業務効率化を果たす、なんとも美しいAI導入事例がありました。

手書き文字認識AI「Tegaki」の導入で、現場がアップデートされる

在庫もレジもないFABRIC TOKYOの店舗にユーザーが訪れてすることは一つ。「採寸」です。その業務の中で、AI界隈では有名な株式会社Cogent Labsの手書き文字認識AI「Tegaki」が活用されています。

Tegaki
Tegakiとは手書き書類をスキャンして取り込むだけで簡単にデータ化して保存ができる手書きOCRサービス。自動認識が難しかった手書き文字を高速・高精度に読み取ることができます。各種申込書類やアンケートをはじめ、医療機関での問診票など様々な手書き書類の読み取りに対応可能。手書き文字の認識率99.22%を達成した研究結果を元に、データ入力業務の効率化とコスト削減を実現します。

従来のワークフローが、AI導入によってどのように効率化されたのか、実際の店舗の様子を覗いてみます。

着心地のいいスーツを作るのに重要な体の部位、数十カ所を採寸

店舗を訪れると、壁一面に並んだ生地サンプル(通称:FABRIC WALL)から、ユーザーはお好みの生地を直感的に選ぶことができます。そしてメインとなるのが、採寸です。実際に採寸されている様子がこちら。

着心地のいいスーツを作るのに重要な体の部位、数十カ所を、店舗スタッフが丁寧に採寸してくれます。

手書きで帳票にメモ。データのクラウド管理がFABRIC TOKYOの強み

店舗スタッフは採寸をしながら、手書きで帳票にメモを取っていきます。

FABRIC TOKYOが強みとしているのが、この採寸データです。データはクラウドにアップロードされ、ユーザーはいつでも自分のデータにアクセス可能。さらに、オンライン上でスーツ・シャツのオーダーができます。

一度店舗で採寸をして、あとはインターネット上で商品を購入できるD2Cのオーダーメイドビジネスこそ、小売業界でFABRIC TOKYOが旋風を巻き起こしている所以です。

手書きメモをスキャンし、Tegakiで画像認識。API連携でデータベースに自動書き込み

Tegakiは、帳票に手書きでメモされた採寸データを、クラウド上のデータベースに登録する業務で使われます。

以前は、手書きのデータを、わざわざエクセルに平均13~15分かけてスタッフが手入力していましたが、AI導入後は帳票をスキャンするのみ。

スキャンの様子がこちらです。

スキャンされた帳票に記載された手書き文字をTegakiが認識、読み取ることで、自動的にクラウド上のデータベースに書き込まれます。

ここまでがAIによりアップデートされた、採寸の一連の業務フローですが、

  • そもそもなぜ採寸データを直接iPad等のデバイスに入力しないのか?
  • 導入にあたりどれくらいのコストがかかったのか?
  • 既存ワークフローの変更で、新しい課題も出たのでは?

など、気になる点も多いです。

【no.272】AIで”家電ごとの電気の使い方見える化技術” – 三菱電機

AIで”家電ごとの電気の使い方見える化技術” – 三菱電機

三菱電機は、同社のAI技術Maisart(マイサート/Mitsubishi Electric’s AI creates the State-of-the-ART in technology)を用いた”家電ごとの電気の使い方見える化技術”を開発したことを29日、発表した。

今回同社が発表したAI活用の技術は、新たな計測器を取り付けずにスマートメーターで計測した住宅全体の電力使用量から、家電ごとの電力使用量を推定するもので、電流センサなどの計測器を使う方法と比べ蓄積データ量が1%以下に抑制できるとしている。

【関連】インフォメティスと日東工業、AIを利用した電気代の見える化 >>

  • 「家電ごとの電気の使い方見える化技術」の概要(同社資料より)

    「家電ごとの電気の使い方見える化技術」の概要(同社資料より)

三菱電機公式Webサイト内 研究開発・技術<a href="http://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/randd/maisart/" target="_blank">「Maisart」</a>

三菱電機公式Webサイト内 研究開発・技術「Maisart」

三菱電機が取り組むAI「Maisart」(公式ページ内Maisart紹介サイト)は、キッチン家電や生活家電から住宅設備、映像機器、カーエレクトロニクスまで多くのジャンルの製品を手がける同社の知見をベースに、ニューラルネットワークにおけるノードへの枝のコンパクト化、事前学習の試行回数の低減、センサーデータの分類抽出などに力を入れている。

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2018年夏に東北電力がIoTやAI、ロボットなど新サービス開発のための「よりそうスマートプロジェクト」(ニュースリリース)では、モニター募集したユーザーを対象に家電別の電気使用量を推定し、メールやLINEで家電の使い方をアドバイスする試みを行っている。電気を使う魅力的な製品がいつのまにか矢継早に発売される時代だが、電気料金はできるだけ賢く、スマートに抑えたいというのは誰しもが思うところだ。

【no.271】活躍の場広げるAIアナウンサーの実力

活躍の場広げるAIアナウンサーの実力

NHKは人工知能(AI)を活用した音声合成により、ラジオで気象情報を発話するAIアナウンサーを開発した。山梨県を放送対象とする甲府放送局のラジオ気象情報で3月に実証する。AIアナウンサーは、NHK放送技術研究所(東京都世田谷区)と連携して開発した。甲府放送局の過去3年分の気象情報から抜粋した文章などをNHKアナウンサーが読み上げ、AIに学習させた。

AIが注意報や予報、雨量、風速など多様な気象データを話し言葉に変換する。文脈に合ったイントネーションや間の取り方、情報の取捨などNHKアナウンサーが持つ話術を再現できるか検証し、早期の実用化を目指す。山梨県は観光地として人気が高い富士山を有し、気象情報へのニーズが高いことなどから実証地域として選出した。AIアナウンサーは3月4―8日と、25―29日の3分間のコーナーで登場する。

NHKはAIによる音声合成で発話する3次元コンピューターグラフィックス(3DCG)のアナウンサー「ニュースのヨミ子」を地上波のニュースで起用している。NHKはこうしたAI活用がアナウンサーの働き方改革にもつながるとしている。

日刊工業新聞2019年1月29日

 

「ニュースの読み子」育成中

日刊工業新聞2018年3月27日

NHKは26日、人工知能(AI)による音声合成で発話するアナウンサーを開発したと発表した。4月から3次元コンピューターグラフィックス(3DCG)の女性アナウンサーとしてニュース番組に登場する。NHKの地上波ニュースにAIアナウンサーが登場するのは初めて。

開発したAIアナウンサーは「ニュースのヨミ子」。NHK放送技術研究所(東京都世田谷区)が開発した音声合成技術を活用した。NHKのアナウンス室の監修の下、長時間の音声収録を行って機械学習させた内容を発話する。

将来は相手の言葉を認識し、自由に会話できるAIアナウンサーに成長させていく。ニュース速報を自動的に読み上げる体制の構築などを目指す。

「ニュースのヨミ子」はNHKのニュース番組「ニュースチェック11」に登場する。4―5分のコーナーにおいてインターネット上で話題になったニュースなどを紹介する。

平昌五輪では実況で活躍

日刊工業新聞2018年2月20日

日本人選手のメダルラッシュに沸く平昌(ピョンチャン)冬季五輪。その舞台でNHKの新人アナウンサーが実況デビューを果たした。その名は「ロボット実況」。NHK放送技術研究所(放送技研、東京都世田谷区)が開発したその新人アナは、堂々たる声でアイスホッケーやカーリング、スケルトンなどの熱戦の模様を連日、伝えている。

「カナダ、ジョンストン選手のシュート。ゴール!」―。アイスホッケー女子、カナダ対OAR(ロシア出身選手で構成されたチーム)の一戦でロボット実況の声が響いた。新人アナらしからぬ女性の落ち着いた声で2時間以上の試合中継を無事にこなした。

ロボット実況は人工知能(AI)による音声合成技術などを活用して実現した。五輪期間中は国際オリンピック委員会(IOC)傘下で放送サービスを手がけるオリンピック放送機構(OBS)が試合経過の情報を記した競技データをリアルタイムで各国の放送事業者に配信する。

放送技研はその競技データを基に、即座に自動で日本語の実況文章を作り、音声を合成して生中継の配信映像に合わせて流すシステムを構築した。実況内容は字幕でも付与できる。放送技研ヒューマンインターフェース研究部の岩城正和部長は「OBSから配信される膨大な競技データからアナウンサーとして話すべき内容を自動で判断して実況できる」と強調する。

同システムは2016年のリオデジャネイロ五輪の全種目で内部実験を行っており、満を持してデビューした格好だ。23日まで毎日1競技程度実況する。ここまでの成果は上々で、NHKは「ライブ配信の映像に対してリアルタイムで実況を付与できている」と手応えを強調する。

五輪は多数の種目が同時に行われる。インターネット配信を活用することで多くの競技を中継できるようになったものの、中継で肝心の実況は人手の問題で付けるのが困難だった。ロボット実況はその代替になる。特にNHKとしては試合状況を音声や字幕で伝えることで、視覚や聴覚に障がいのある人が多様な競技の生中継を楽しめる環境を整える目的がある。

また、NHKは今回の配信について20年の東京五輪・パラリンピックでの活用に向けた試験と位置付ける。その意味では「配信される競技データが少ない種目は実況しない時間が多くなる」(NHK)という課題を確認した。このため今後は競技データ以外の情報の活用を模索し、内容の充実を図る考えだ。東京五輪・パラリンピックでは新人アナの成長した姿が期待できそうだ。

【no.270】AIカメラが「未成年」判別、居酒屋で実験 精度は96%超

AIカメラが「未成年」判別、居酒屋で実験 精度は96%

 

AI(人工知能)搭載カメラで、来店客が未成年かどうかを検知する――業務システムのクラウドサービスを展開するチャオ(東京都港区)は1月21日、養老乃瀧が展開する居酒屋「一軒め酒場 新橋店」で実施した実証実験の結果を発表した。未成年者の検知率は96.1%だったという。

実験では、AI搭載のクラウドカメラ「Ciao Camera」を使用。店員による確認漏れが多かったという来店者の年齢確認をAIを使って行い、未成年者へのアルコール提供を未然に防ぐことを目指した。

AI
実験の画像
実験の第1段階として、ディープラーニングを使った画像認識サービス「Amazon Rekognition Image」の顔認識機能を活用した。AIがカメラ画像から人物の顔を識別し、年齢結果を推定。未成年と思われる場合は店員に通知する。入店する数秒の間に来店者の顔画像を複数枚撮影したが、画質や顔の角度で誤検知もあったという。検知率は90.7%にとどまった。

次に、精度向上と通知までの時間を短縮するため、チャオは未成年かもしれない「要年齢確認者」を判別する独自の識別エンジンを構築。AIの判別結果を人間で精査し、AIに学習させることでモデルを作成した。大量のデータをAIが学習し続けることで精度を改善し、96.1%の精度で未成年を検知できるようになったという。年齢確認は身分証明書で行った。

 

【no.269】 AIで予測向上目指す 気象庁、理研と共同研究

AIで予測向上目指す 気象庁、理研と共同研究

気象庁は23日、理化学研究所の革新知能統合研究センター(東京)と提携し、人工知能(AI)技術を気象の観測や予測の精度向上に活用する研究を始めると発表した。同庁の気象情報は現在、降水量と降雪量の予測は2日先まで、風速は1日先まで。平成36年をめどに5日先まで延ばし、早めの防災対応を促せるようにする。

気象庁によると、気温や気圧、風の変化の予想にはスーパーコンピューターと複数の数値予報モデル(計算プログラム)を使っている。それらの計算結果をAIでスムーズ、適切に組み合わせ、予測の精度向上を目指す。例えば地域ごとの降水量予測、その誤差の範囲を5日先まで把握し、特別警報に匹敵する豪雨となる確率を算出できるようにもするという.

現在は予測が難しい台風の急発達について気象衛星の画像や各種データからAIで前兆を捉える研究も進めたいという。共同研究の期間は33年3月末まで。

【no.268】立教大が“AI特化”の大学院 国内初

立教大が“AI特化”の大学院 国内初

立教大学は1月21日、国内初となるAI(人工知能)に特化した大学院「人工知能科学研究科」(修士課程)を2020年4月に開設すると発表した。機械学習の数理モデルや統計学の知識を持つ「AIサイエンティスト」や、AI開発ができる「AIエンジニア」などの輩出を目指す。

立教「人工知能科学研究科」

機械学習やディープラーニング(深層学習)を中心としたAI領域について学習・研究できるカリキュラムを設置し、文理融合型プロジェクトを推進、各界を代表する企業との産学連携による社会実装にも積極的に取り組む環境を設けるとしている。

立教設置科目(予定)

また、AI活用に当たって重要な「ELSI」(Ethical,Legal, and Social Implications=倫理的、法的、社会的諸問題)を重点分野と捉え、1年次必修科目とする。

募集定員は63人、教員数は9人。平日6時限と土曜日を含む昼夜開講が中心になる。選考方法は4月下旬以降に公表予定。

今後は、全学部生がAIを学べる環境を整える他、博士課程の設置も検討するという。

【no.267】AIは非喫煙者の味方か、喫煙を取り締まる用途が続々登場

AIは非喫煙者の味方か、喫煙を取り締まる用途が続々登場

喫煙が身体に害を及ぼすという研究事例は多数存在するが、今回、機械学習を使った新たな研究結果が報告された。

米国の人工知能(AI)企業、Insilico MedicineのPolina Firsanova博士研究チームは、機械学習を使って、喫煙者・非喫煙者(成人14万9000人対象)の実年齢および健康年齢の乖離を調査した最新結果を、英国の科学専門誌「Scientific Reports」に公開した。

研究チームは、調査対象を年齢、性別、居住地域に分類し、血糖値、空腹時血糖値、鉄分、尿から排出される老廃物など各データを機械学習技術で分析。結果、30歳以下の喫煙者の半分以上が、健康年齢31~50歳と実年齢を上回ったと報告している。一方、非喫煙者の62%が実年齢と健康年齢が一致しているとの見解も併せて発表した。

喫煙が引き起こす問題を人工知能で解決しようという試みは、健康年齢の研究調査以外にもある。昨年10月には、マイクロソフトとガソリンスタンド大手シェルが協力し、スタンド内で喫煙している人を発見するAIソリューションを発表している。

またSoter Technologiesが開発した人工知能と連動したセンシング装置「フライセンス」は、校内における学生の喫煙を防ぐ用途で利用され始めている。またスマートカー分野でも、居眠り運転などに加え、車内での喫煙を判断するAIシステムの開発が着々と進められている。

そのような動向を見る限り、最新テックである人工知能は喫煙者の“排除”を促進する方向で利活用されていくのだろう。もちろん、法律やマナー違反は問題外だ。しかしながら、正直、喫煙者である筆者としては、「喫煙者のためにもAIを利活用して欲しい」と思わなくもない。

例えば、喫煙者でも健康を維持できる方法の研究(そのようなものがあるかは分からないが)にAIが用いられるとか、もはや壊滅していくであろう貴重な喫煙スペースをレコメンドしてくれるAIアシスタントなどがあったら便利だと思う。

いずれにせよ、人工知能に世の中の感覚を反映し作業を代替・効率化するという本質的特徴があるのだとすれば、“喫煙は悪”という社会的コンセンサスを拡大するのにも一役買っていくことだけは間違いない。「AIによって喫煙者の身はさらに狭くなった」。そう評価される時代が間もなく訪れそうである。

【no.266】判別AIも出てきた米国・フェイクニュース研究最前線 —— ただ「フェイク」と呼ぶ時代は終わる

判別AIも出てきた米国・フェイクニュース研究最前線 —— ただ「フェイク」と呼ぶ時代は終わる

パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナーの石角友愛です。今回紹介するのは、「アメリカのトップIT企業がどのようにフェイクニュース規制に取り組んでいるか」です。

2018年の沖縄県知事選挙で、フェイクニュースを見た学生がアンケート回答者全体の1割ほどいたというニュースが日本でも先日流れ、今年はより一層、日本でも「フェイクニュースとはなんなのか?どう私たちは向き合えばよいのか?」が問われる年になるのではないでしょうか。

フェイクニュースに関して話すときに一番難しいのが、何をもって「フェイク」とみなすのかの定義づけです。First Draft Newsという非営利プロジェクトの代表のクレア・ワードル博士によると、自分にとって都合の悪い情報を全て「フェイクニュース」と一括りにしてしまっている使用例も背景にあり、「フェイクニュース」という言葉は使わずに、以下の3つに分類されるべきだと言います。

  1. Mis-information(ミスインフォメーション。悪い意図がなく拡散する偽りの情報)
  2. Dis-Information (ディスインフォメーション。悪い意図があり意図的に拡散される偽りの情報)
  3. Mal-Information(マルインフォメーション。悪い意図があり意図的に拡散される真の情報)

例えば、フェイクニュースの拡散で批判の対象になっているFacebookでは「フェイクニュース」ではなく「フォルスニュース(False News、偽りのニュース)」という言葉を使い、あらゆるシグナルからフォルスニュースと判断されるニュースを拡散するサイトの広告を止めています。その検知にかなりの人的資源と機械学習の労力を投じているとのことです(担当チームを2倍に拡大したとのこと)。

Facebookでは以下のようなマトリックスを作り、それぞれの線引きが難しいものの、赤い箇所(False News)の摘出にまずは全力を注ぐ、と言っています。

False News

月間アクティブユーザー数が20億人を超えるため、全ての情報1つずつをカテゴライズするのは不可能です。そのため機械学習アルゴリズムを開発し、パターン検知をしています。そして、何をもって偽りと判断するかの基準には、第三者専門機関のチェック、ユーザーからのフィードバックなども使い、複合的な判断をしています。それでもなお、次から次に出てくる「偽り」の検知にはなかなか追いつかない、いたちごっこのような状態になってしまうことも考えられます。

そこでFacebookとは違うアプローチを採っているのがウーバーです。ウーバーの最先端技術研究チームの研究員の一人であるマイク・タミアー博士はバークレー大学でデータサイエンスを教えている講師でもありますが、マイク氏は面白い視点でフェイクニュースを定義付けています。

マイク氏によると、「何が偽りかどうか」より、「感情を無駄に引き起こす言葉が入っているかどうか」で、ジャーナリズムとセンセーショナリズム(扇動主義)の線引きをした、ということです。心理学の研究で、「感情的になればなるほど、人は認知力が反比例して下がってしまう」というものがあり、そこから、無駄に読者の感情を駆り立てる記事は、ジャーナリズムではなくセンセーショナリズムだと定義づけをした、とあるセミナーでマイク氏が語っていました。