【no.94】機械学習に深層学習、AIの仕組みはどうなっている?

機械学習に深層学習、AIの仕組みはどうなっている?

導入の拡大と技術の進化のスピードの早さから、暮らしが楽になる反面、仕事が奪われるのではないかと不安を持つビジネス・パーソンもいる。AIは「Artificial Intelligence」の略であり、人工知能と訳されるが、今までのコンピュータとどこが違うのか、その仕組みはどうなっているのだろうか? これらの疑問に対し、正確に答えられる人は少ないのではないだろうか。

人工知能というからには、人間の脳を模範としていることは間違いない。
では現在のAIは人間の脳と同じレベルなのか、それはNOだ。冒頭のAIはすべて特定の問題に特化した「問題特化型AI」。
一方、「汎用型AI」はあらゆる問題に対して人間に匹敵する能力を発揮するものだが、現状では実現されていない。

AIの歴史として、今までもエキスパートシステムなどが話題になったことはあるが、今日注目されている第4次AIとどこが違うのだろうか。エキスパートシステムは別名「専門家システム」とも呼ばれ、プログラマーが特定の分野に関する情報を入力し、それを解析するアルゴリズム(推論エンジン)を組み込んでおかなければならず、コンピュータ自らがデータを解析・学習して判断することはできなかった。

現在のAIは、コンピュータ自らがデータを解析・学習して物事を認識・判断できる点に新しさがある。そのベースには、プログラマーがあらかじめすべての動作をプログラミングするのではなく、データをAI自身が解析し、法則性やルールを見つけ出すことができる「機械学習」がある。

さらに、機械学習を「ニューラルネットワーク」(脳のニューロンの信号伝達を数式的なモデルで表した)によって実行する「ディープラーニング」(深層学習)が登場することによって、今までのコンピュータのように、人間がデータを入力しアルゴリズム(やり方)をすべて決めなければならないという制約を超えたのだ。

ニューラルネットワークを活用したディープラーニングによって、AI自らがデータを解析し法則性やルールを見つけ出して、タスクを実行できるようになったことが今日のAIブームを牽引している。ディープラーニングは、プログラマーの指示と履歴を全て記憶・学習し、それを繰り返す度に精度が上がり適切な判断を下せるようになるので、AIのシンギュラリティ(技術的特異点)が話題になっているのだ。シンギュラリティを超えると、AIは人の手を借りることなく自ら進化できるようになり、人類の脅威になると予想する人もいる。

AI、AIと、言葉だけが先行して中身を理解していないと実際に導入の場面で詰まるという話を聞きます。基礎の部分だけでもしっかり理解していく事が大切ですね。

次回の更新も楽しみにしていただけますと幸いです!