【no.95】「翻訳」「交通」「テロ対策」… 東京五輪で活躍しそうなAIテクノロジー

「翻訳」「交通」「テロ対策」… 東京五輪で活躍しそうなAIテクノロジー

騒がしい場所でも機能する翻訳アプリ&デバイス
訪日外国人を案内・誘導するとなれば、やはり翻訳ツールが必要となる。すでに市場には様々なデバイスおよびサービスが出まわっているが、アドバンスト・メディアのスマートフォン向け多言語音声翻訳アプリ「AmiVoice TransGuide」(iOS / Androidに対応)は、ちょっとユニークな機能により競合との差別化を図ろうとしていた。

その特徴のひとつが、約90dBの騒音環境下でも音声認識できる小型デバイス「AmiVoice Front WT01」と連携できる点。高指向性2マイクアレイを搭載した同製品を使えば、人混雑の中でも正確な音声を取得できる。実際に、騒然とした展示会場で試してもらった。担当者が「今日はとてもいい天気ですね」と喋ると、スマホアプリのAmiVoice TransGuideが中国語に翻訳、AmiVoice Front WT01からは中国語の音声が再生され、スマートフォンには日本語文と中国語文が表示された。ちなみに、ここで使われている音声認識技術AmiVoiceは、AIにより認識精度が向上しているという。

AmiVoice TransGuideは現在のところ、4ヵ国語(日本語、英語、中国語、韓国語)の双方向音声翻訳に対応している。なおバックヤードを明かすと、音声を認識してテキスト化するところまではアドバンスト・メディアのエンジンを、翻訳はGoogleのサービスを利用している。

本製品は、外部スピーカーと接続して使うこともできる。喋った日本語をその場で任意の言語に翻訳し、大音量のスピーカーで流せるため、たとえば混雑したオリンピック会場や鉄道の駅などで、運営スタッフが外国人を誘導するケースで便利に利用できる。

こうした翻訳機の弱点として、しばしば「固有名詞」「専門用語」「地名」などに弱いことが挙げられるが、AmiVoice TransGuideでは単語登録により、あらかじめよく使う言葉を1,000行ほど学習させておくことが可能。現場のニーズに沿った使い方ができるようだ。

また、NTTドコモでは未来シェアと共同で「AI運行バス」の開発を進めている。これはルートを特定せず、乗客のニーズに応じてAIがリアルタイムに運行経路を決めて走るサービス。乗客のスマホアプリからの要求に応じて、最適な車両を配車する。東京臨海副都心エリアや兵庫県神戸市、鳥取県境港市などですでに実証実験を済ませており、2018年度には商用化したい考えだという。

「東京オリンピックのようなイベント時には、急増した訪日外国人の足となる」と担当者。このほか、地方の観光地や自治体運営のコミュニティバスにつきものの”ドライバー不足”の解決にもつながると解説する。

AI運行バスとは、、今までルートに合わせて人が動いていたのに、人に合わせてルートが変わるというのは革新的ですね。
次回の更新も楽しみにしていただけますと幸いです!