結局AIとは何なんなのだろう。AI基礎知識を解説
AI(artificial intelligence)は、人工知能と訳されます。人工知能の定義として統一したものはないようですが、東京大学の松尾教授が「人工的につくられた人間のような知能、ないしそれをつくる技術」と定義しています。
人間のような多様な振る舞いができるAIは、いまだ誕生していないと言えます。現在、活躍しているAIは、領域を区切った状態で人間では処理できない量の処理に対処し、「推論」をすることが可能です。
ポイントは2つあります。
・領域を区切られた状態であること
・情報量が多いもので処理を必要とすること
こういった領域では、すでにAI化が非常に効果を発揮しています。逆に言えば、産業での展開となればこのポイントの範囲に留まっているのが現実なのです。しかし、AI技術/研究は日進月歩なので、新しい成果が日々産業に展開されており、AIの可能性は現在のレベルではないでしょう。
AIを知る上で、覚えておきたい単語が2つあります。
■シンギュラリティー
シンギュラリティーとは、技術的特異点の意味です。技術の進化が指数関数的に進んでいくと、人工知能が十分に賢くなり、自分自身よりも賢い人工知能を作るようになる瞬間のことをシンギュラリティーと呼んでいます。
未来学者のレイ・カーツワイルは、シンギュラリティーは2045年に起こると主張しています。彼は、人間よりも人工知能が賢くなる年を2029年ごろだと主張しています。
こうなってくると本当に近い未来のことになりますね。その一端として、すでに人間では理解ができないような回答を出す人工知能も出てきているのです。産業革命やインターネット革命が起こったように、本当のAI革命が近い未来に起こることが推測されます。
■ディープラーニング
ディープラーニングとは、深層学習と言われます。たくさんのデータを与えて人工知能が自ら学習をすることを機械学習と言いますが、この機械学習の手法のひとつがディープラーニングと言われるものです。
ディープラーニングは、その名の通り、データを深く幾重にも重ね、さまざまな加工を繰り返して学習した結果を出力します。コンピューターの性能が向上したことにより、多くの処理を必要とするディープラーニングが活躍でき、AIブームをここまで牽引してきました。
いろいろと説明しましたが、今、ディープラーニングという単語が出てくる場合には学習手法だと覚えておけばよいかなと思います。