【no.407】日本と中国、AIで明暗分かれる理由は メルカリ×マスクド・アナライズ対談 (1/4)

日本と中国、AIで明暗分かれる理由は メルカリ×マスクド・アナライズ対談 (1/4)

「日本はAI後進国になってしまった」「AIを中途半端にかじった評論家、学者が『AIに何ができる』と低く評価するのは、時代錯誤も甚だしい」――7月18日に開催されたイベント「SoftBank World 2019」に登壇した孫正義社長が飛ばした“げき”が、起業家や研究者の間で話題になりました。

店の前でうなだれて微動だにしないPepper君を引き合いに出して「お前が言うな」と憤る人もいれば、インドのOYO Hotels and Homesなどへの投資実績を前に「おっしゃる通り」と頷く人もいます。しかし、世界中で業界を変革するようなAIサービスが次々と生まれていることは間違いないでしょう。

日本はこのままAI後進国の地位に甘んじるのでしょうか。それとも、世界に向けて反撃を始めるのでしょうか。そんな日本企業のAIをめぐる現状について、ITmedia NEWSでAI開発の現状を伝える「マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!」を連載しているマスクド・アナライズさんと、自社サービスで積極的にAIを活用しているメルカリ取締役CPO(Chief Product Officer)の濱田優貴さんに議論してもらいました。

左からマスクド・アナライズさんと、メルカリ取締役CPO(Chief Product Officer)の濱田優貴さん

連載:これからのAIの話をしよう

いま話題のAI(人工知能)には何ができて、私たちの生活に一体どのような影響をもたらすのか。AI研究からビジネス活用まで、さまざまな分野の専門家たちにAIを取り巻く現状を聞いていく。

(編集:ITmedia村上)

日本と中国、ここまで差が開いた理由は?

――(聞き手、松本) ビジネスにAIを取り入れている人は、孫さんの「日本はAI後進国」という言葉を聞いて、いろいろ思うところがあったと思います。マスクドさん、濱田さんはどのように思われましたか?

マスクド:孫さんはNVIDIAやUber、OYOなどさまざまなAI企業に出資しているので、事業内容だけでなく技術、財務も全部含めて見ているでしょう。そこで得られた見識は、当然ながら他の経営者と比べても大きく違います。そこで日本が遅れていると見られるのは仕方がないですよね。