AI=人工知能がみずから学習するディープラーニングと呼ばれる技術を使って、脳の画像から病気を見つけるシステムを東京のベンチャー企業が開発し、医療機器として承認されました。ディープラーニングを活用したAIのシステムが国の承認を受けたのは国内で初めてです。
新たなシステムは、AIを使った画像解析のソフト開発を行っている東京大学発のベンチャー企業「LPIXEL」が開発しました。
システムではAIに、くも膜下出血にもつながる脳動脈りゅうの患者と健康な人の脳のMRI画像を読み込ませることで、AIがディープラーニングの技術でみずから学習し、病気の画像で見られる特徴を把握します。
そして、脳のMRI画像から脳動脈りゅうの疑いがあるかどうか判定し、医師の診断を支援します。
画像から脳動脈りゅうを見つけられたのは、専門の医師だけだとおよそ68%でしたが、システムでは77%ほどに精度が上がったということで、先月、医療機器として承認されたということです。
厚生労働省によりますと、ディープラーニングを活用したAIのシステムが医療機器として国の承認を受けたのは初めてだということです。
LPIXELの島原佑基社長は「AIを生かすことで、より正確に診断でき、医療現場が変わっていくと考えている。今後、ほかの病気でも診断支援ができるようにしたい」と話しています。