【no.455】いま知っておきたいAI活用事例――内定辞退予測、退職予測から、RPA連携の可能性まで

いま知っておきたいAI活用事例――内定辞退予測、退職予測から、RPA連携の可能性まで

未来を予測するAI 「リクナビ問題」も話題に

最初は、AIによる未来予測だ。本連載で解説してきたように、現在のAIの多くは、過去に得られた大量のデータを分析し、その中にあるパターンを把握することでさまざまな処理を行う仕組みになっている。その一つの方向性が「予測」だ。

advertisement

例えばドイツの通信販売大手Ottoは機械学習を用い、30億件にも達する過去の取引データや、天候、販売状況などに関する200以上の変数の分析を可能にした。これにより、顧客が今後1カ月以内に何を購入するかを、90%の精度で予測できるという。

今年8月に起きた、就職情報サイト「リクナビ」を巡る「内定辞退予測」も話題になった。これは、リクナビ運営元のリクルートキャリアが、「特定の学生が内定を辞退する確率」を予測したデータを、企業に有料で提供していたというもの。38社がこのサービスを利用していたとされており、トヨタ自動車やホンダといった有名企業が予測データの購入を認めた。ここでは、サービスの是非ではなくその仕組みに注目したい。