米ラスベガスで開かれた世界最大のデジタル技術展示会「CES」で、中国・深センの企業、銀星科技(Silver Star Technology)が新型のロボット掃除機を展示していた。ルンバのような形状だが、中央に液晶で表示される「目」が付いている。この「かわいいロボット掃除機」は、まだ名前も付いていない、単なる試作品だが、筆者がツイッターでつぶやいたところ猛烈にバズった。
筆者のツイートは、この原稿を書いている1月11日時点で2万件のいいね、7352件のリツイートがあった。CESでは世界中の名だたる企業が大きな発表を行う。今年はソニーが電気自動車の開発に乗りだすことや、トヨタ自動車が実験都市「Woven City」をつくると発表したことが大きな話題となった。そうした大ニュースに比べたら、無名企業のささいな試作品にすぎないロボット掃除機だが、筆者のツイートのリツイートの数は米国のトヨタ公式アカウントのWoven Cityに関するツイートを上回った。
CESでは、一般公開前のプレスデーに様々なセッションが開かれる。その中で「現在のAIについての神話と現実(Myth and Reality in Today’s AI)」というセッションがあった。
AIに関する議論は、それぞれの「AI」の定義がバラバラだったり、現時点で可能なことと不可能なことの区別がついていなかったり、できていないことの技術的な課題がきちんと認識できていなかったりすることが多く、表層的なものになりがちだ。ところが、このセッションは、登壇者がユニティ・テクノロジーズやマイクロソフトなどで実際に手を動かして仕事をしている人たちで構成されていることや、さほど大きい会場でなかったこともあって、中身の濃いセッションになった。