【no.99】FM局 AIアナウンサーがニュース番組 神戸

FM局 AIアナウンサーがニュース番組 神戸

アナウンサーに代わって人工知能(AI)が原稿を読み上げるニュース番組が、兵庫県内を放送エリアとするFM局「Kiss FM KOBE」でスタートした。働き方改革への対応や人手不足解消などが期待できるとあって、同様の試みは全国の放送局で広がっている。

「おはようございます。けさのおめざめはいかがでしょうか」

4月上旬、男性が2人しかいないはずの神戸市中央区のスタジオに、突然、女性の声が響いた。初めて聞くAIアナウンサーの声だった。

番組は、毎週土曜の午前7時から放送される15分番組「神戸経済ニュースウィークリー」。この日は7日の初回放送分の収録が行われていた。地元の経済ニュースを紹介した後、ニュースサイト「神戸経済ニュース」編集長の山本学さん(41)が解説するという内容だった。

「ひょうごけんはよっか、ほてるやこうつうきかんの(兵庫県は4日、ホテルや交通機関の)……」。AIは番組冒頭のニュース部分で、約800字の原稿を2分30秒かけて読み上げた。

声には抑揚がなく、妙にたどたどしい。人間のアナウンサーのしゃべりに比べると、滑らかさがない。現状では、AIは人間のアナウンサーの足元にも及ばないと言ってよい。

だが、AIには学習能力がある。番組ディレクターの片平さんは「今後、学習を重ねていけば、改善が期待できる」と語る。AI自体も改良が進むため、近い将来、人間のアナウンサーに見劣りしないAIアナウンサーが登場するかもしれない。

AIシステムには、インターネット通販大手「アマゾン」の子会社が提供するテキスト読み上げサービス「アマゾンポリー」を採用した。ニュース原稿をパソコンで入力すれば音声に変換してくれる。

なぜ導入を決めたのか。片平さんは「目新しさだった」と笑う。だが、実際に番組を作ってみると、別のメリットがあった。「予想以上に労力が減ったんです」。人間のアナウンサーの場合、収録前の打ち合わせは不可欠だ。収録後にニュースを差し替えたい時は、改めて録音しなければならない。AIでは、それらの業務が必要なくなった。パソコンさえあれば、時間と場所を問わず音声が作れるため、仕事の効率が非常に高まったという。

導入してみる事で予想外のメリットがあったというのは、実践してみないとわからない部分ですね。今後の進化が楽しみです。
次回の更新も楽しみにして頂けますと幸いです!