【no.243】3分でわかる 顔認識AI

3分でわかる 顔認識AI

画像や動画の中から人の顔だけを抜き出し、本人を特定したり、性別や年代、感情などを推定したりする人工知能(AI)技術のこと。監視カメラと連動するほか、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や米マイクロソフト、米グーグルといった主要なクラウド事業者がサービスを提供しており、最も実用化が進んでいるAIの1つとして日本でも普及し始めている。

例えば、音楽ライブの来場者の性別や年代、感情を数値化するシステムの開発が進んでいる。音楽と映像事業を手掛けるエイベックスによると「これまでライブの盛り上がりや来場者の属性は肌感覚でしか捉えられなかった。リアルな空間で生の顏データを収集して分析できるのは、ビジネス面でとても有益だ」という。得られたデータを分析してミュージシャンのプロモーションを見直したり、ライブの曲順や演出を変えたりすることが可能になる。

小売店でも、来店客の人数や属性、感情を認識するシステムを導入する動きが出てきている。顔認識AIを使ってデータを収集して分析することで、リアル店舗でありながら、EC(電子商取引)サイトのように、入店率(店舗の前を通過した人の何パーセントが実際に店舗に入ったか)や購買率(入店した人の何パーセントが商品を購入したか)を把握できるようになる。2つの施策を比較検討するA/Bテストなどで新たな気付きを得るなど、業務の効率化にも生かせる。

顔認識AIと鏡を組み合わせた、ターゲティング広告配信システムも登場している。鏡の前に立った人の表情をAIが解析し、感情やその人の状態に合わせた広告を表示する。疲れている人には栄養ドリンクの広告を、悲しそうな表情をしていれば思い切り泣ける映画の広告を表示するといった具合だ。

顔認識AIを利用する際には、AIが学習していく顔データの質が重要になる。一般に顔認識AIでは、両目を認識できる顔の正面画像が「教師データ」として最も適しているといわれている。そのため、事前に画像の向きや明るさ、色などを補正して、AIが認識しやすいデータに加工しておく必要がある。顔認識AIと鏡を組み合わせると、自然に対象者の正面画像を取得しやすくなる。

日本人は年代が、実年齢よりも若く判定されやすい点に留意する必要もある。対象者の年代や感情は機械学習で判別している。学習に利用した顔データに外国人が含まれていると、幼く見える人や化粧をした女性は実際の年齢よりも、特に若く判定されやすい。結果は本人とズレがあり得ることを踏まえて利用する必要がある。

大量の教師データの存在がAIの判断の正確性に大きく寄与するという事ですね。
パターンの数が大きくなればなるほど多くのパターンに対処できるようになります。

次回の更新も楽しみにして頂けますと幸いです!